ご不幸へのお悔みの挨拶はどのように書くのか?具体的な手段や注意点、返信方法、例文をご紹介
2023.10.24
誰かのご不幸に際して、その気持ちを慮り、遺されたご家族の心によりそうために弔意を伝える必要があります。その際に、使われる手段がご不幸へのお悔みの挨拶です。
しかし、ご不幸は急に訪れるものであるため、どのような言葉を送ればよいのかがわからない方も多いでしょう。そこで今回は、ご不幸へのお悔みの挨拶をどのように書くのか、具体的な手段や注意点、返信方法、例文をご紹介します。
ご不幸へのお悔みの挨拶を行う手段
ご遺族へのお悔みの挨拶を行う場合、もっとも丁寧な方法は対面です。訃報を聞いてすぐに駆けつけるという行動は、何をもってしても優先することであるという考えを表せます。
しかし近年においては、時間や距離などさまざまな理由や関係性によって、駆けつけるのが難しいケースは多いです。そのような場合は対面ではなく 弔電や電話、メール、LINEなどを活用することにより、お悔みの挨拶を伝えることが大切です。
どの方法を選ぶかについては、ご遺族との関係性などによって異なります。ここでは、それぞれの方法の違いを解説します。
弔電
弔電(ちょうでん)とは、手書きの葉書や専用の弔電カードを用いて、故人様やご遺族に対してお悔やみの挨拶を送る方法です。弔電は日本などで一般的に行われる方法です。手間と時間をかけて書くことで、深い敬意と思いやりを示すことができます。
なお、弔電の詳細については以下の記事もあわせてご確認ください。
電話
電話を通じて、お悔やみの挨拶を伝える方法も一般的です。電話は直接、声を通じて感情を伝えられ、遠くにいる方にも迅速に連絡を取れます。しかし、故人様の死後間もない場合であるため、電話での声の調子や言葉選びには注意が必要です。
メール
メールは、手書きの弔電よりも形式的でない場合が多く、比較的手軽に送れる方法です。文化や関係性によっては、電子メールを使って弔意を表すこともあります。メールは文字数の制限も少ないため、丁寧な表現や思いやりの言葉を十分に盛り込める点がメリットです。
LINE
近年は、LINEをはじめとしてSNSを通じて、お悔みの挨拶をする方も増えています。LINEでお悔みの挨拶を送ることは問題ありませんが、大切な人を亡くした相手には改まった言葉を使いましょう。くだけた表現や絵文字は避ける必要があります。また、相手が葬儀の準備で忙しい場合もあるため、長文は避けます。
お悔みの挨拶をするときの注意点
ご不幸があったご遺族にお悔みの挨拶をするときには、いくつかの注意点があります。ここでは、おもな注意点を確認しておきましょう。
忌み言葉を使わない
お悔みの挨拶をするときには、ご遺族に対して失礼に当たる忌み言葉の使用を避けましょう。
以下は、お悔みの挨拶で避けるべき忌み言葉とその理由です。
・死、死亡、四(=死)、九(=苦):これらの言葉は不幸や悲しみを連想させるため、避けましょう。
・ますます、重ねがさね、返す返す、次々、続いて、引き続き、近々、繰り返す、再び、追って、くれぐれも、まだまだ、いよいよ、ときどき、しばしば、さらに:これらは「重なる」ことを示す言葉であり、不幸が続くことを連想させるため避けます。
・生きる、生存:悲しみの場面で使うことは不適切です。
直接の死因を尋ねない
故人様が亡くなった原因は、ご遺族にとって痛ましい記憶です。ご遺族が話したくない場合もあります。不用意に死因を尋ねることは、遺族の心を深く傷つける可能性があるため避けましょう。
短く簡潔な内容を心がける
お悔やみの言葉は短く伝えるのがマナーです。お悔みの言葉は短くまとめましょう。ご遺族は多くの弔問客に対応するため、多くの時間をかけることは避けなくてはいけません。長く話す場合には、差し障りが生じることもあります。心からの思いやりを伝えるために、シンプルで適切な言葉を選ぶことが大切です。
宗教や宗派の違いに注意する
弔問の際、宗教によって使う言葉が異なります。適切な表現を選びましょう。例えば、仏教とキリスト教においては、以下のような違いがあります。
・仏教:「ご冥福をお祈りします」という言葉は、「冥途で幸福になる」という意味で使われます。浄土真宗では使用を控えたほうがよいです。
・キリスト教:死は天国に召されることとされています。「天に召された○○様の平安をお祈りいたします」という言葉が一般的です。
メール・LINEでお悔みの挨拶をするときの注意点
メールやLINEでお悔みの挨拶をする際に気を付けるべき点は、相手の感情に配慮し、適切なトーンと表現を用いることです。また、できるだけ早く送ることは大切ですが、相手が感情的に落ち着いてから送るよう心がけましょう。
メールやLINEでお悔みの挨拶をする場合は、落ち着いた、共感的なトーンを保つことが重要です。過度にフォーマル過ぎず、カジュアル過ぎない適度なバランスを保つようにしましょう。
お悔みの挨拶の例文
ここからは、ご不幸があったときに送るお悔みの挨拶の例文をご紹介します。こちらをベースにして、アレンジして使っていただければ何よりです。
弔電の例文1
この例文は、故人様を亡くされたご遺族に対して丁寧な言葉でお悔やみの挨拶を述べるものです。
ご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。在りし日のお姿を偲びつつ、ご冥福をお祈りいたします。 |
弔電の例文2
こちらは、親しい方へのお悔やみの意を表すメッセージです。
ご逝去の報に接し、心から哀悼の意を捧げます。最愛のご令嬢様の急逝の報に愕然としております。安らかにお眠りになられることをお祈りいたします。 |
弔電の例文3
取引先や知人に向けた簡潔な例文は、以下のとおりです。
ご逝去を悼み、謹んでご冥福をお祈りいたします。 |
これらの例文は、相手との関係性や状況に合わせて使い分けましょう。
メールの例文1
以下のメールによる例文は、共感的なトーンで適切な弔意を示す内容となっています。相手の想いを尊重し、共感を表現している点が特徴です。
件名: お悔やみ申し上げます お世話になっております、△△さんとは□□で一緒になっていた〇〇と申します。 突然の訃報に驚き、大変お悔やみ申し上げます。△△さんのご冥福を心よりお祈りいたします。 △△さんのご家族の皆様は今は辛い時期かと思いますが、お力が少しでも戻ることを願っております。 どうかお身体を大切になさってください。何かお手伝いできることがあれば、遠慮なくお知らせください。 お悔やみを申し上げる言葉が足りないかもしれませんが、心からお悔やみ申し上げます。 どうぞお体をお大事にください。 〇〇 |
メールの例文2
ご友人にお悔みの挨拶をする際にも、故人様との関係や友情を尊重し、共感と思いやりを込めた文面を選ぶことが大切です。ここでは、ご友人にお悔みの挨拶をするメールの例文をご紹介します。
件名: お悔やみ申し上げます こんにちは〇〇(友達の名前)、 突然の訃報に驚きと悲しみで胸が痛みます。本当に辛い時ですが、私はいつでもあなたのそばにいます。 △△(故人の名前)との思い出が、今も鮮明に心に残っています。あの笑顔と元気な声は、永遠に私の心に刻まれるでしょう。 これからは〇〇が共有してきた素敵な瞬間を大切にして、その思い出を胸に抱きながら進んでいくことが大切だと思います。辛い時には、いつでも私に話しかけてください。一緒に悲しみを分かち合い、明るい未来を見つけることができると思います。 どうかお身体を大切にして、悲しみの中で少しずつ前に進んでいけるよう願っています。何か私にできることがあれば、どうか遠慮なく声をかけてください。 〇〇の笑顔と温かさを永遠に心に留めておきます。どうかご冥福をお祈り申し上げます。 心からお悔やみ申し上げます。 〇〇(あなたの名前) |
メールの例文3
会社の上司のご家族が亡くなった場合、敬意と共感を持って弔意を表すことが重要です。以下はそのような状況で使える一例の文面です。ただし、職場が同じ上司である場合、一言でもよいので、対面でお悔みの挨拶を伝えたいところでしょう。
件名: お悔やみ申し上げます 尊敬する〇〇さん(上司の名前)、 突然の訃報に驚きと悲しみで胸が痛みます。大切な存在を失った悲しみは計り知れないものと察します。 〇〇さんが私にとっていかに尊敬すべき存在であるか、そしてその家族がどれほど温かく結ばれていたかを思い出すと、心が重くなります。失ったことの喪失感を想像するだけで、言葉もありません。 これからの日々が、〇〇さんとご家族のたくさんの思い出と共に、少しずつ癒される時となることを心より願っています。お体に気をつけて、お近くの人々と支え合いながら、この難しい時期を乗り越えていけるようお祈りしております。 何かお手伝いできることがあれば、どうか遠慮なくお知らせください。〇〇さんとそのご家族のために、私もできる限りのサポートをさせていただきます。 心よりお悔やみ申し上げます。 〇〇(あなたの名前) |
メールの例文4
取引先の方のご親族が亡くなった場合、尊重と思いやりを持ってお悔みの挨拶をメールで送ることが大切です。
件名: お悔やみ申し上げます お世話になっております〇〇様(取引先の名前)、 突然の訃報に驚きと悲しみで胸が痛みます。ご家族の大切な方のご逝去に深い同情をお伝え申し上げます。 〇〇様とのお取引は長い間続いており、その間に多くのお世話になってきました。私たちはただのビジネスパートナーではなく、信頼し合い、共に歩む関係と考えています。この悲しい時期に、私たちは心をひとつにしてお悔やみ申し上げます。 〇〇様のご家族のために、心からお祈り申し上げます。どうか、この難しい時期においても力を持ち続け、明るい未来へと向かっていけるよう、ご家族皆様に安らぎと勇気が訪れることを願っております。 お取引の方に関しては、何かお手伝いが必要な場合にはどうぞお知らせください。私たちはいつも通りのサポートを続けるとともに、お力になることができるなら何でもお手伝いさせていただきます。 心よりお悔やみ申し上げます。 〇〇(あなたの名前) |
LINEの例文
お悔みの挨拶をLINEで伝える際には、適切な言葉を選ぶことが大切です。以下に2つの例文をご紹介します。
○○様のご逝去を知り、なんと申し上げてよいか言葉もありません。この度はまことにご愁傷さまです。心からお悔やみ申し上げます。お慰めの言葉もございませんが、どうかお力落としなさいませんように。お辛いこととは存じますが、くれぐれもご無理なさらず、お気持ちをしっかりお持ちくださいませ。 |
この例文は、故人様を亡くしたご遺族に対して丁寧な言葉でお悔やみを述べるものです。以下は、LINEならではの簡潔な例文の事例です。
ご冥福をお祈りいたします。心からお悔やみ申し上げます。 |
こちらは短くまとめたものです。シンプルにお悔やみの挨拶を伝えられます。どちらの例文も、相手との関係性や状況に合わせて選ぶことが大切です。
お悔みの挨拶の返信をメール・LINEで行う方法
お悔みの挨拶をメールやLINEで受け取った場合は、できるだけ早く返信しましょう。また、返信メールの件名は、一目で内容がわかるようにしましょう。
時候の挨拶を省略し、簡潔な言葉で感謝の気持ちを伝えます。その際、日本語のメールでは句読点を省略することが一般的です。
なお、お悔みの挨拶のメールやLIENに「返信不要」と書かれていた場合は、返信の必要はありません。ご遺族が忙しいことを見越しての配慮になるため、素直にご厚意を受け取ることがマナーといえるでしょう。
まとめ
メールやLINEによるお悔みの挨拶は手軽、かつカジュアルな印象があります。関係性を意識しながら慎重にお送りすることが大切です。一方で、手軽であるからこそ、普段言えない、一歩踏み込んだ表現で悲しみの心に寄りそえるという利点もあります。
ご家族だけでご葬儀という形も増えてきており、その中で相手に負担を強いらない方法として、メールやLINEでお悔みの挨拶を伝えることも一般化しました。
お悔みの挨拶を伝えるときに、もっとも大切なのは故人様やご遺族を想う気持ちです。心を込めたお悔みの挨拶であれば、想いはきっと伝わることでしょう。ぜひ、本記事の内容をご参照いただき、自分自身の言葉でお悔みの挨拶をお伝えください。