危篤とは?ご家族が実施すべき5つの準備などを紹介

2023.05.11

身内の方が危篤状態になった場合、ご家族やご人族など周囲の方々は、慌ててしまうことが多いと思います。そのため万が一に備え、ご家族が危篤状態になったときにやるべきことを整理し、準備しておくことが大切です。

そこで今回は、ご家族が危篤状態になった際、周囲の方々が実施すべきことを5つご紹介します。また万が一の際、何をすべきかについても解説するので参考にしてみてください。

危篤とは

危篤とは病状が非常に悪化して治療が困難な状態をさす医学用語です。ここでは、危篤状態になると現れる症状と、どの程度の期間継続するのかについて解説します。

危篤状態になるとどのような症状が現れるのか?

具体的には、危篤状態の患者は心拍数や血圧が不安定になり、呼吸困難や低血圧などの症状が現れます。また、深刻な内臓障害や感染症などが原因となり、全身に悪影響を及ぼすことが多いです。

医師や看護師が一生懸命治療を行っている場合でも、治療の効果が十分でなく、生命が脅かされる状態になります。この状態では治療の限界が見えてくるため、家族や医師、患者本人など困難度を判断し、治療方法を決める場合が多いです。

危篤状態の患者は回復する可能性が非常に低いため、ご家族や周囲の方々は心身に大きな負担を強いられます。そのためご家族や周囲の方々は、患者を支えるための準備を行い、治療や生活面でのケアを行わなくてはいけません。

危篤状態はどの程度の期間続くのか?

危篤状態は人によって異なりますが、数時間から数日程度が一般的だといわれています。ただし、病気や怪我の状態によっては、数週間から数か月以上も危篤状態が続くこともあるようです。

危篤状態にある方の状態は、一定ではなく急変することもあります。そのため、医師の指示に従い、適切な対応をすることが大切です。

ご家族が危篤の際に準備すべきことは5つ

ご家族が危篤状態に陥った場合、周囲の方々が準備すべきことは以下の5点です。

・緊急連絡先の整理と共有
・重要書類の確認と整理
・ご家族をサポートする体制の確認と整理
・経済的な準備
・心理的なサポートの準備

ここでは、それぞれの準備内容について確認しておきましょう。

1.緊急連絡先の整理と共有

ご家族が危篤状態に陥った際には、周囲の方々がご家族や友人、医師、病院などの緊急連絡先を整理し、必要に応じて関係者に共有することが必要です。万が一の場合、慌てずに対処するためにも、早めに実施しておきましょう。

まずご家族や親戚・友人の緊急連絡先を整理します。また自治会の連絡先など、緊急時に頼りになる人物の情報も把握しておくと安心です。

次に、医師や病院の緊急連絡先を整理します。もし治療を受けている病院があれば、その病院の名前や電話番号、住所などをメモしておきましょう。かかりつけの医師がいる場合は、名前や所属する診療所の情報もリストアップしておきます。

ご家族や親しい友人に緊急連絡先を共有し、必要に応じてアップデートするよう伝えましょう。このとき、危篤状態のご家族が持っている医療保険カードや、診断書などの重要書類も共有することを忘れてはいけません。緊急時にアクセスできるよう、スマートフォンやパソコンなどにも保存しておくと便利でしょう。

2.重要書類の確認と整理

ご家族が危篤に陥った場合、慌てずに対処するためには、重要な書類を確認して整理することも必要です。例えば医療保険カードや診断書、治療履歴、遺言書などが挙げられます。不足しているものがある場合は、速やかに手配しましょう。

まず、医療保険カードを確認します。医療保険カードは、ご家族が治療を受ける際に必要な書類です。もし医療保険カードの条件が危篤状態のご家族にあてはまらない場合は、保険会社に連絡して再発行の手続きを行いましょう。

次に、診断書や治療履歴などの医療関係の書類を確認します。ご家族の病状や治療経過の記録を確認するために必要です。有事の際には、遺言書などの法的な書類が残されているかを確認して整理します。

遺産分割が円滑に行われない可能性があるため、事前に確認・必要だと感じる場合は、作成しておくと安心です。

診断書や治療履歴などの医療関係の書類は、病院や医師に保管してもらうこともできます。
また必要に応じて、書類のコピーを取っておくことも重要です。

3.ご家族をサポートする体制の確認と整理

危篤状態のご家族が入院する場合には、周囲の方々のサポートが必要になる場合が多々あります。そのため、家族のスケジュールやサポート体制を確認して整理し、必要な手配を行わなくてはいけません。

まずご家族や親戚、親しい友人のスケジュールを確認しサポートする人員の編成を整えておきます。次に、ご家族のサポート体制を整理しましょう。例えば誰が入院中の面会に行くのか、誰が病院からの報告を受け取るのか、誰が周囲の方々へ連絡をするのかといった役割分担を明確にしておきます。専門的な知識やスキルを持っている方がいる場合は、その方が危篤状態のご家族の治療やケアに参加することも想定しておかなくてはいけません。

また、入院中のご家族がサポートを必要とする場合は、交代制のシフトを決めておくことが必要です。ご家族や友人が病院で泊まれるよう、宿泊施設の手配を行います。危篤状態のご家族が退院した後のケアや介護についても、担当者の手配を検討しておかなくてはいけません。

状況によっては、役割分担やスケジュールの変更、サポート体制の見直しなどを行う必要があることも想定されます。変更や調整が必要な場合は、柔軟に対応しましょう。

4.経済的な準備

入院や治療にかかる費用や、ご家族が亡くなった場合の葬儀費用など、経済的な準備も必要です。必要に応じて、医療保険や社会保障制度の利用方法を確認し、手続きを進めます。

まず、入院や治療にかかる費用の見積もりを取得しましょう。危篤状態のご家族が入院する場合、医療費がかかります。病院に見積もりを依頼し、金額や保険の適用状況などを確認することが必要です。また入院中に生じる日常生活費や、家計費の補填などの見積もりも忘れてはいけません。

次に、医療保険や社会保障制度の利用方法を確認します。医療保険や社会保障制度は、入院や治療に伴う費用を負担するための制度です。保険の種類や適用条件、請求方法はもちろん、危篤状態のご家族が亡くなった場合、遺族年金や遺族給付金などの手続きも行う必要があります。

危篤状態のご家族が亡くなった場合には、葬儀費用が必要です。葬儀会社に見積もりを依頼し、金額を確認しておきましょう。また、葬儀前後に必要な手続きについても確認が必要です。ご家族や親戚などと相談し、最適な方法を選ぶようにしましょう。

5.心理的なサポートの準備

サポートを行なうご家族がストレスや不安を感じる場合があるため、心理的なサポートの準備も大切です。必要な場合は、カウンセリングやサポートグループの情報を調べ、手配します。目に見えないご家族のストレスや不安を理解することが重要です。

ご家族のストレスや不安が深刻な場合は、専門家への相談も視野に入れましょう。例えば心理士や精神科医などへ相談することで、より適切な支援が受けられます。

ご家族が危篤状態に陥ったときに対応すべきこと

ご家族が危篤状態になった際、周囲の方々がやるべきことはいくつかあります。

まず、ご家族が入院している病院に駆けつけることが大切です。危篤状態であると判断された方はいつ亡くなってもおかしくないため、ゆっくりしていると最期の瞬間に立ち会えない可能性があります。

ご家族やご親族への連絡や、職場への休暇連絡なども行わなくてはいけません。また、まとまった現金を用意するはもちろん、ご家族やご親戚の心身と精神のサポート、仕事の引継ぎなどを済ませることなどが挙げられます。

危篤状態との連絡を受けると焦ってしまいがちです。しかし、あらかじめ何が必要になるのかを整理し準備しておくことによって、有事の際も冷静に行動できます。

ご家族が危篤状態に陥ったときのよくある質問

最後に、ご家族が危篤状態に陥った周囲の方々から、よく質問されることをいくつかご紹介します。有事の際に落ち着いて対応するためにも、ここで内容を確認しておきましょう。

ご家族が危篤状態の場合は忌引き扱いになるのか?

身内が危篤で会社を休む際は、忌引き休暇にはならないことが一般的です。ただし会社によっては、身内が危篤状態でである場合に限り、有給休暇を取得できる場合もあります。また、身内が危篤である場合に限り、特別休暇を取得できる場合もあるようです。

そのため、事前に就業規定を確認しておくと安心でしょう。

危篤状態であることを周囲の方々へ連絡する手段とマナーは?

身内が危篤状態になった場合、ご家族やご親族に伝える手段としては、電話や直接会って伝える方法が一般的です。相手の状況によっては、メールやLINEなどのSNSを使うこともあります。

なお、ご家族が危篤状態になったことを伝える際には、以下の点に留意しましょう。

  • 相手の立場に立って、丁寧かつ明確に伝える
  • 相手が受け止められるよう、言葉遣いに気をつける
  • 相手が受け止めやすいよう、事前に相談してから伝える
  • 相手が受け止めやすいよう、時間帯を考慮してから伝える

また、危篤状態の人にかける言葉としては「お大事に」という言葉が一般的です。ただし、相手の立場や関係性によっては、「お大事に」という言葉以外にも適切な言葉を選ぶ必要があります。

ご家族が危篤状態になった場合に必要な費用とは?

ご家族が危篤状態になった場合、まとまったお金の準備が必要です。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 病院での手続きや手術費用、薬代、通院費用などの医療費
  • 葬儀費用
  • 生活費

危篤状態になった場合、まずは病院での手続きや手術費用、薬代、通院費用などの医療費が必要です。医療保険や国民健康保険に加入している場合は、それらを活用できます。また、介護保険制度や生活保護制度などの公的制度も利用するが可能です。

次に必要なものが葬儀費用です。葬儀費用の相場は、以下のように式の形式によって異なります。

  • 火葬式:16万円~
  • 一日葬:35万円~
  • 一般葬:55万円~
  • 家族葬:基本的な料金は、葬儀形式の料金とほぼ同額

ご家族が入院している間、収入は減るものと考えられます。生命保険や死亡保険も利用できるため、事前に確認しておきましょう。有事の際に備え、普段からまとまった生活費を確保しておくことが大切です。

なお、死亡された方の預金や保険金などは、相続人全員の共有財産になります。口座名義人が亡くなった場合、預金口座が一旦凍結され、引き出すことも入金もできません。銀行に連絡して所定の手続きを開始する必要があります。また、生命保険契約者が死亡した場合、保険金は相続人全員の共有財産となることも覚えておきましょう。

なお、葬儀の費用については以下記事の内容も参考にしてみてください。

関連記事:葬儀費用の平均とは?内訳や家族葬などの種類も紹介

まとめ

ご家族が危篤状態に陥った場合には、以下5つの準備を行いましょう。

  • 緊急連絡先の整理と共有
  • 重要書類の確認と整理
  • ご家族をサポートする体制の確認と整理
  • 経済的な準備
  • 心理的なサポートの準備

すべての準備が、事前にできることばかりではありません。しかし、1つだけでも早めに準備することによって、周囲の方々の負担軽減につながるでしょう。本記事で紹介した内容を、ぜひ参考にしてみてください。

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