お葬式とは?実施する理由や種類、海外のお葬式も紹介

2022.07.04

大切なご家族やご親戚などが亡くなったときには、お葬式が執り行われます。お葬式は日本だけでなく世界中で行われていますが、その内容は多種多様です。

しかし、お葬式がなぜ執り行われるのか、その理由について知っている方は少ないかもしれません。そこで今回は、お葬式を実施する理由や種類、また海外のお葬式の内容などについて解説します。

お葬式とは

お葬式とは、ご家族やご遺族、友人や会社の方などが集まって、故人様を弔いご冥福を祈る儀式です。本章では、お葬式を実施する理由と、友引の日に実施してよいのかという疑問について解説します。

お葬式を行う理由

お葬式を行う理由は、儀礼やお別れを通して、大切な方の死を受け入れ、お別れに集まったご親族や会社関係、友人などと、亡くなった方を偲び、悲しみを分かち合うことで、目の前の現実を受け入れ、新たな一歩を踏み出し進んでいくステップにするためです。

また、宗教的な面では、故人様の霊をこの世から彼岸へ送り出して供養し、安寧を祈るという意味が込められています。

なお、お葬式の際には、故人様のご遺体を土葬、火葬するための処置や、社会的な面では、戸籍や死亡届、相続にかんする手続きをすることで、故人様の死を周知することが必要です。

友引にお葬式を実施してもよい?

友引でもお葬式はできます。しかし、開いている火葬場が少なく、お越しになる参列者様も「友を引く」といわれていることで、お別れをしたいという思いに少し抵抗が出てしまうかもしれません。

故人様との最期にお別れをする場として、ご親族や友人、会社関係の方々のお気持ちに沿う形で行うためにも、友引のお葬式をする場合は、事前に実施する意向をきちんとお伝えしておくべきでしょう。

お葬式の種類

新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の影響もあり、最近はお葬式においても、少人数でお別れをしたいというニーズが高まっています。以前は、最後の夜を共に過ごし故人様を偲ぶ、2日間のお葬式が多かったのですが、近年は通夜をしない1日の家族葬、お葬式をせず火葬のみ行う火葬式直葬を実施するケースも増えている状況です。

本章では、お葬式の種類について解説します。

一般葬

一般葬とは、お通夜と告別式を2日間にわたって実施するお葬式のことです。一般葬はこれまで広く実施されており、お通夜には故人様のご友人や会社の方などが中心に参列し、翌日の告別式にはご家族やご親戚がおもな参列者となります。

また一般葬では、お通夜の通夜振る舞いや、お葬式の後の精進落としなどが実施されることが普通です。

家族葬

家族葬とは、故人様のご家族とご親戚といった近親者だけで執り行うお葬式です。お葬式の内容は一般層と同じですが、参列者の規模や会場の規模、祭壇の大きさなどが縮小されるため、コストが安価に済みます。

近年はコロナの影響もあり、ご遺族の話の中で「コロナ禍だし、周りも高齢になって心配」と伺うことがかなり増えました。そのため、家族葬を実施するケースが非常に増えています。

家族葬の大まかな流れは、葬儀式(告別式)と初七日法要を行った後、火葬をしてお骨上げを行い、解散という形式が一般的です。

直葬(火葬式)

直葬とは葬儀を行わず、故人様と簡単なお別れを行った後、火葬してお骨上げをするというシンプルなお葬式で、火葬式とも呼ばれています。

直葬が増えてきている理由は、日本人の寿命が長くなったせいかもしれません。直葬を選択される方からは「故人の兄弟はみんな他界してしまったから」「高齢で親戚に来てもらうのも悪いから」など「誰も来ないし家族だけで送ってあげたい」というお話をよく伺います。

一般的な直葬では、火葬に入る前の10分程度のお時間を、お別れの時間として故人様と一緒に過ごし偲んでいただくことは可能です。ただし、火葬場によっては、故人様とのお別れができない場合や、お別れができない時間帯があるなど、施設ごとに条件が違う点に注意しましょう。一度しかない故人様とのお別れの機会であるにも関わらず、お顔を見ないまま終わることで、より悲しみが大きくなる可能性があります。

なお、火葬式については以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

関連記事:横浜市と川崎市の火葬式とは?おもな火葬場や式の流れなどを紹介

お別れ会(偲ぶ会)

お別れ会(偲ぶ会)とは、故人様の遺志を尊重した形式にとらわれない形で行われる形式の会です。

実施日も自由ですが、故人様の1周忌や四十九日などに行われる場合が多く、お香典ではなく会費制になっていることが特徴といえます。また、会の内容も故人様の御意向に沿った形で執り行われ、畏まらない場になっていることが多く、服装も礼服ではなく私服で参加することが普通です。

以上のように、近年はお葬式の形が多様化しました。ただし、大切な方の年齢交友関係、親族が遠方などそれぞれ異なることも多いでしょう。大切な方のお見送りが悔いのないものになるよう、お別れの方法は慎重に決めていただくのがよいと思います。

海外のお葬式

日本以外の海外の国々でも、お葬式が行われています。ただし、そのスタイルは日本と大きく異なるため、おもな海外のお葬式がどのようなものなのか紹介します。

アメリカのお葬式

アメリカはキリスト教を信仰する方が多く。キリスト教式のお葬式が行われることが一般的です。キリスト教では、お葬式のことを「葬儀式」と呼びます。

キリスト教では、死が不浄な物、縁起の悪いものではなく祝福されるべきものとされている点が特徴です。もともとキリスト教にお通夜の習慣はなかったそうですが、日本独自の風習を取り入れてお通夜を行うようになりました。

ただし、キリスト教はカトリックとプロテスタントに分かれており、死に対する考え方がそれぞれ違い、お葬式のスタイルも異なります。また、キリスト教では土葬が基本です。しかし、日本では自治体で土葬が禁じられているため、キリスト教であっても火葬が基本となります。

カトリックとプロテスタントのお葬式の特徴を、それぞれ確認しておきましょう。

カトリック

カトリックのお葬式は、神に故人様の罪を詫びて許しを請い、永遠の命を得られるよう祈りを捧げる儀式です。聖書朗読や神父による説教を行う「言葉の礼」や、パン・葡萄酒などを祭壇に奉納するミサを中心に構成され、聖歌や献花も行われます。

カトリックでは、信者の意識があるうちに「病者の塗油の秘跡」と呼ばれる儀式を執り行う点が特徴です。

神父が瀕死の状態の信者の額に手を置き、神に犯した罪の赦しを請い、聖書を朗読して信者の額と両掌に精油を塗ります。聖油を塗られた信者はすべての罪が許され、神の恵みが得られるといわれています。逝去直後には「聖体拝領」と呼ばれる、神父が祈を捧げながら、信者に聖体であるパンや葡萄酒を与える儀式が行われます。

カトリック式のお葬式では、故人様を納棺する際、ご遺体を清め、着替えを済ませた後、死に化粧を施すことが一般的です。納棺は通夜前に行うことが多く、神父立ち合いで行われます。また、故人様の手は胸の上に組み、愛用の十字架やロザリオを持たせるのが通例です。

神父の唱導で祈った後、聖書朗読、聖歌斉唱、故人様の安息を祈り聖水を遺体にかけます。その後、ご家族やご遺族がご遺体を納棺し、白い花で遺体の周りを埋め尽くし、棺に黒い布をかけ安置します。

プロテスタント

プロテスタントのお葬式は前夜祭と呼ばれ、故人様は神のもとで安らかになるという信仰のもと、神にささげる祈りを中心に式が進みます。聖書朗読や賛美歌斉唱、牧師の説教などが執り行われ、葬儀と告別式は分けずに行う点が特徴です。なお、プロテスタントのお葬式のおもな目的は、神に感謝しご遺族を慰めることだといわれています。

プロテスタントでは信者が危篤状態になると、安らかに天に召されるように、牧師と家族が一緒に祈る「聖餐式」を執り行います。臨終を迎えたら、ご遺族はガーゼや脱脂綿に水を含ませ故人様の唇を濡らす「末期の水」の儀式を執り行います。その後、ご遺体を清め死に化粧を行い、愛用の服などに着替えて旅立ちの準備をする流れです。

プロテスタントの納棺は、牧師が立会って執り行われます。祈りをささげた後、ご家族やご遺族の手でご遺体を棺に納めます。納棺後、遺体の白いガウンをかけ、遺体の周りを白い花で包み、最後に黒い布で棺を覆い、その上に白い花で作った十字架を飾るのが通例です。

中国のお葬式

中国のお葬式は、日本のお葬式とは異なり派手な点が特徴です。「お葬式は派手にするもの」という考え方がある中国では、銅鑼や爆竹を鳴らすのは普通で、場合によってはお金をばらまくこともあります。

また、お葬式の参列者が多い点も特徴で、参列者が行列を作ることも大きな特徴といえるでしょう。お葬式に多くの参列者を集める理由は、生前の故人様がどれほど多くの方に慕われていたり、感謝されたりする証と考えられているためです。そのため、お葬式の参列者は、多ければ多いほどよいものとされています。

なお、中国では人が亡くなると「殯儀館(ひんぎかん)」と呼ばれる施設へ、ご遺体を運ぶことがひとつの特徴です。殯儀館の担当者とお葬式の各種手続きを行うため、その間ご遺体は施設内の冷凍施設で保管されます。

イギリスのお葬式

イギリスのお葬式は、亡くなった後の1~2週間後に執り行われるため、ご遺体にエンバーミング処置(ご遺体の腐食を抑制するための措置)を施すことが一般的です。また、葬儀ディレクターと呼ばれる専門家が、葬儀の進行やご家族・ご遺族へのカウンセリング、遺体の搬送、エンバーミング処置を実施します。

イギリスのお葬式は、葬儀ディレクターがご遺体を葬儀場へ搬送し、ご家族やご遺族とお別れを行った後、式が執り行われます。お葬式の後はご遺体を火葬し、霊園に埋葬されるようです。

なお、1963年にパウロ6世が火葬禁止令を撤廃する以前までは、イギリスでは土葬がメインでした。キリスト教では、最後の審判後、信者の肉体が神の前に復活すると信じられていたため、土葬で埋葬されることが普通だったようです。

インドのお葬式

インドのお葬式はヒンズー教の儀式である水葬です。インド国民の85%が信仰しているヒンズー教には、カルマを信じ、生前の行いが死後の生れ変わりに繋がるという教えがあります。そのため、ガンジス川の岸辺でご遺体を火葬した後、遺灰を川へ流します。

インドにはお墓がほとんどありません。また、インドでは火葬ができない場合、そのままご遺体を川に流すこともあるようです。

インドのお葬式では、まずご遺体を洗ってリンネルと呼ばれる布でくるみます。故人様にお別れを告げた後、ご自宅からご遺体を動かす前に、オイルや石鹸、粉が散布されます。油を塗るのは、遺族の役割だそうです。

儀式が終わると、ご遺体は棺に入れられることなく共同墓地、または火葬場に運ばれます。死の瞬間、霊魂が頭骨に阻まれると考えられているため、火の力を魂が借りて肉体から解放されることから、ヒンズー教では埋葬がほとんどなく火葬が多いといわれています。

ご遺体が燃やされている間は神聖な経典が唱えられ、最年長の男性のご親族が燃えた木を持って、火葬用の薪の周りを歩いた後、点火します。その後は、プロの火葬人(日本でいう葬儀会社)に任せる流れです。

火葬後、3日目の昼間に遺灰を集め、川に行って遺灰を撒きます。

まとめ

「死」は誰にでもやってくるものです。科学が発達して、元気に楽しく過ごしていけることが一番ですが、終わりは必ずやってきます。大切な方との別れはとても辛いものです。

立派なお葬式をしても、それが故人様の希望、ご遺族の意向に合っていなければ、良いお見送りとはいえません。大切な方の生きてきた証、今そこにいてくれる故人様に感謝したい気持ちをたくさん詰め込んだお葬式が一番のお見送りだと思います。

いつかは来てしまうお別れについては、少しずつ家族で話し、もしものとき心に少し余裕を持てるようにしておけると安心です。例えば、以下の内容について、確認・整理しておくことをおすすめします。

・銀行口座、暗証番号
・生命保険
・株式や不動産
・宗教(仏教の場合は宗派も)
・お墓の場所
・本籍地
・親しい方の連絡先
・大切な書類の場所
など

いつか必ず訪れるそのときに「楽しかった」「頑張った」「ありがとう」と思えるように、大切な方との時間を過ごしておきましょう。

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