お葬式に花を飾る意味や由来とは?種類ごとの花言葉も紹介
2022.10.05
お葬式には、たくさんの花が飾られていることが一般的です。お葬式で飾られる花には意味があります。また、花にはそれぞれ花言葉があるので、故人様への想いを形にすることもできるでしょう。
今回はお葬式に花を飾る意味や由来を紐解きつつ、種類ごとの花言葉も紹介します。
お葬式に花を飾る意味とは
お葬式に花を飾る意味は諸説ありますが、故人様へ弔いの意を込めることが一般的です。また、仏教において再生を意味することから、お葬式に花を飾るようになったいう説もあります。
お葬式に飾るお花でもっとも有名なものは供花です。供花には宗教や宗派によってマナーが異なります。そのため、正式なマナーで供花を飾ることによって、故人様に弔いの意を示すとともに、参列者とのトラブルを回避する効果も期待できるでしょう。
なお、供花については以下の記事で詳しく解説しているのであわせてご確認ください。
関連記事:「お葬式の花の種類とは?供花、献花、枕花などの違いも解説」
お葬式に花を飾るようになった由来
お葬式では、祭壇の側に必ず花が供えられています。残されたご家族だけが見送るような小規模の「家族葬」であっても、花が供えられていないことはありません。
亡くなられた方に、お花を供えるようになった由来はさまざまありますが、今回は2つ紹介します。
お釈迦様と沙羅双樹の伝承
お葬式に花を飾るようになった由来の1つが、お釈迦様と沙羅双樹の伝承です。
お釈迦様が最後を迎えるとき横たわった場所に、2本の対になった沙羅の木(サラノキ)がありました。ジャスミンやオレンジのように甘く爽やかな香りがする淡い黄色の花が咲いていましたが、お釈迦様が入滅(高僧が亡くなること)のときを迎えると、一旦半分は枯れてしまったそうです。その後、再び真っ白な花を咲かせ、満開の花は頭上に舞い散り、お釈迦様を覆いつくしたといわれています。
これが由来となり、故人様の冥福を祈る気持ちを込めて、ご親族をはじめ故人様と親交のあった方が送る最後の送り物として、白い花を供えるようになったそうです。
涅槃図(ねはんず)には、お釈迦様の弟子だけではなく、生きとし生けるものから天界に住む者までが、お釈迦様の入滅を悲しみ嘆く様子が描かれています。
『平家物語』の名文「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」にでてくる「沙羅双樹の花の色」とは、このとき真っ白に変化して散った花ということです。
死後の長旅の一助とするため
お葬式に花を飾るようになったもう1つ由来は、故人様が死後の旅路を無事に終えられるようにという願いを込めるためだといわれています。
多くの仏教には、亡くなられた方は49日間の長い旅を経た後、仏様になる教えがあるそうです。また、仏様の食べ物は、お線香の煙や花の香など上へ昇っていくものといわれています。
お葬式に花を飾ることで、故人様の長い旅を支え、無事に旅を終えられるという願いを込めるそうです。
お葬式における花の種類と花言葉
仏教だけではなく、キリスト教や神道、無宗教形式など、さまざまなお葬式においても、故人様にお別れの気持ちを伝える「弔意」として花を供えることが多いです。故人様の棺の周りには、参列者の気持ちを表す花が飾られます。
一つひとつの花には花言葉があり、故人様へのメッセージともいえるでしょう。お葬式に飾るおもな花の花言葉を紹介します。
カーネーション
カーネーションは、仏式におけるご焼香のようなお別れ作法の1つである献花によく使用される花です。カーネーションは、洋花の供花に必ず含まれている花だといえるでしょう。
カーネーションの花言葉は、以下の通りです。
・白:「尊敬」「純粋な愛」
・赤:「母への愛」「感動」
・紫:「誇り」「気品」
・オレンジ:「あなたを熱愛しています」
・ピンク:「温かい心」「美しい仕草」「感謝」
・緑:「癒し」
・ムーンダスト(青紫):「永遠の幸福」
胡蝶蘭
胡蝶蘭は花祭壇や洋花の供花でよく使用されています。棺の中へ花を手向ける際も、立体的なフォルムなので、ボリューム感を出してくれる点がメリットです。
また、ふんわりとした見た目が天使の羽に似ていることから、故人様を天国へ連れていく花ともいわれています。
胡蝶蘭の花言葉は「幸福が飛んでくる」です。
バラ
バラのように棘のある花は、仏式の葬儀では長い間、敬遠されていました。しかし、最近のバラは棘を取り除いたものがあり、花祭壇にもよく使用されています。バラが好きな女性も多く、献花にもよく使用される点が特徴です。
バラの花言葉も色によって、以下のように異なります。
・白:「心からの尊敬」
・赤:「あなたを愛しています」
・紫:「気品」「誇り」
・オレンジ「絆」「信頼」
・ピンク:「かわいい人」「しとやか」
ユリ
「歩く姿はユリの花」といわれるように、凛とした高貴なイメージがあるユリは、花祭壇によく使われる花です。香りが強いものから弱いものまで、さまざまな種類があります。
ユリの香りは、安眠やリラックス効果があるといわれており、故人様の枕元に供える「枕花」にもよく使われます。ユリの花言葉は「威厳」「純粋」です。
トルコギキョウ
トルコギキョウとは、レースを重ねたような豪華で優美な花びらをもつ美しい花です。花祭壇や供花によく使われています。トルコギキョウの柔らかな触り心地は、顔の近くへ手向けるのに最適でしょう。
トルコギキョウの花言葉は「優雅」「希望」「良い語らい」です。
菊
菊は今も昔も、お葬式ではスタンダードな花です。菊は皇室の花であり国花でもあるため、厳粛なお葬式には欠かせません。美しいラインの花祭壇は、菊の咲き加減でメリハリが加わり、洋花には出せない演出を可能にします。
菊はお香に似た香りがするので、お供えの花として古くから使用されてきました。葉や花を食べてきたことや、菊が生えている付近の水を飲むと長生きできるという言い伝えがあり、参列者の健康を願う意味もあるそうです。
菊は「邪気払い」「無病息災」「延命長寿」という意味を持つため、寺院の作法道具としても使われています。海外で生まれたスプレーマムやピンポンマムなどの洋菊は、花祭壇の濃淡を表現しやすく、洋花の供花によく使用される点が特徴です。
菊の花言葉は「格調高い」「高潔」「誠実な」「逆境にも負けない」「あなたはとても素晴らしい友達(英語圏)」といわれています。
まとめ
故人様との最後の時間であるお葬式には、ぜひ素敵な花を飾ってあげてほしいところです。故人様らしさを演出したり、ご遺族の想いを届けたりするため、最適な花言葉のある花を選ぶのもよいでしょう。
なお、横浜市や川崎市で葬儀を行う際には、実績豊富なお葬式の杉浦本店にご相談ください。横浜市、川崎市における多くの葬儀実績があるので、故人様やご家族、ご親族の気持ちに寄り添った葬儀プランをご提案いたします。
もちろん、供花のご相談も承りますので、24時間365日いつでもお気軽にお問い合わせください。