供花とはどのような役割のお花?種類や値段、選びかたのポイントなどを紹介
2023.05.01
お通夜やお葬式には、多くのお花が添えられます。その中の1つが供花です。供花が必要になった場合には、速やかに準備しなくてはいけません。またご遺族の意向に沿うことはもちろん、正しいマナーで準備することが必要です。
そこで今回は、供花がどのようなお花なのか、その役割や種類、選びかたのポイントなどをご紹介します。
供花とはどのようなお花なのか
葬儀式場の祭壇の横に飾る、籠に挿したお花を供花(きょうか・くげ)と呼びます。昔は、葬儀式場の外に花環を飾ることが主流でした。しかし近年は、葬儀会場の中に生花を飾ることが一般的です。
供花は1つを1基、2つで一対と数えます。お花を供えた個人あるいは団体の名前や、故人様との関係性などを記した名札を、お花の籠に立てることが一般的です。
なお、キリスト教の葬儀やご遺族の意向によっては、花には札を立てず、式場の入口など別の場所に芳名板という形で、花とは別に名前の札を出すこともあります。
送り主によって異なる供花の種類
供花は大きく喪主様や故人様のご親族が用意する身内供花(親族供花)と、訃報を受けとった故人様やご遺族の友人や知人、会社関係者など、故人様やご遺族とご縁のあった方が弔意を込めて贈る外部供花の2種類に分類されます。
身内供花(親族供花)
ご親族や身内が用意する身内供花には、故人様の御霊を慰めるという意味と、祭壇や式場を飾る目的が含まれます。
仏教に基づいて葬儀を行う場合、仏様をお祀りするに相応しい場を整える荘厳(しょうごん)を実施しなくてはいけません。そのため、灯明やお香と併せて供花も重視されています。
特に喪主様が用意する花を喪主花と呼び、他のご親族よりも大きな花籠にする場合や、お花の種類を変えて用意する場合も多いです。
お花に立てる名札は一般的に「喪主」とする場合が多い一方、「喪主○○○○」と名前まで入れることもあります。例えば、ご親族以外の一般の弔問客が多く参列するような場合は、喪主様と故人様の続柄を明示したいようなときには「喪主○○○○」と、名前まで記入したほうがよいでしょう。
その他のご遺族や、ご親族が飾る供花に立てる札としては「子供一同」や「孫一同」「兄弟一同」「○○家」など、同じ関係の方々でまとめて出すことが一般的です。また、夫婦単位で個人名を連名で供える場合や、連名にせず個々の名前でそれぞれ1基ずつ供える場合などもあります。
名札のサイズは決まっているため、1つの札に書く名前の人数が多くなると、文字が小さくなり見にくくなってしまいます。連名の場合は3名程度までに抑え、それ以上の人数になってしまう場合には、籠を分けて用意するか「○○一同」と記載したほうがよいでしょう。
供花を出す方の人数などを考慮して、それぞれの札に対して1基ずつ用意するか、「2基=1対」で祭壇の左右対称になるように用意して飾るかなどを決めます。
外部供花
お悔やみの気持ちやご遺族をお慰めする気持ちを込めて、故人様や親交のあった方が供える花が外部供花です。
個人名で名札を立てる場合や「○○会社代表取締役○○○○」など、会社名・役職名とともに名前を入れる場合、また「友人一同」「○○大学○○期一同」といったように、故人様との関係を表わすような名札を立てます。札名から生前に親交のあった方々を改めて知り、故人様を偲ぶことができることも、外部供花がもつ意味の1つです。
供花によって葬祭の場を厳かな雰囲気にするだけでなく、生前に故人様がどれだけの方々とお付き合いがあり、惜しまれているのかを目に見える形で表せます。
供花のタイプ
供花は飾る場所によって、以下3つのタイプにわけられます。
- 祭壇に飾る供花:故人の霊前に供える花で、一般的には大きめのスタンドタイプが選ばれる
- 棺桶に飾る供花:故人の柩前に供える花で、小さめのスタンドタイプやリースタイプが選ばれることが多い
- 火葬場に飾る供花:故人の焼香前に供える花で、小さめのスタンドタイプやリースタイプが選ばれることが一般的
スタンドタイプとは、花を金属や木製の台に立てて飾るタイプの供花で、祭壇や棺桶の前に置くことが可能です。一方、リースタイプは花を輪状に編んだ供花で、棺桶や火葬場の壁に掛けられます。
供花の注文方法と選びかた
供花の準備は速やかに実施しなくてはいけないため、一般的な注文の段取りについて把握しておくことが大切です。ここでは供花の注文方法と選びかたをご紹介します。
供花を注文する方法
供花の注文は、葬儀を請け負っている葬儀会社に依頼するのが一般的な方法です。
訃報を受け取り、供花を手配したい場合は、悲しみにくれるご遺族に負担をかけることのないよう、まずは担当の葬儀会社に連絡することをおすすめします。他のお花屋さんからの配達や持ち込みに対応していない葬儀会社も多いことや、1基だけ違った種類の花や名札(札の形や色、文字)にならないよう配慮しましょう。
また、ご遺族が供花を辞退される可能性もあることや、宗旨・宗派によって飾れる花の種類に決まりがある、地域によって出し方が違う可能性もあるため、担当の葬儀会社に確認して依頼するのが賢明でしょう。ただし依頼前に、ご遺族の意向を確認しておくのが最優先です。
身内供花の場合は、喪主様やご家族・ご親族のどなたかが取りまとめて葬儀会社に依頼します。
訃報を受けて外部供花を贈る場合は、葬儀を担当する葬儀会社に連絡します。「○月○日の○○家にお花をお願いしたい」旨を伝えれば、具体的な注文方法を確認できるでしょう。
札名の文字の間違いが起こらないようにするため、供花の注文は電話など口頭ではなく、FAXやWebなど、できるだけ文字でやり取りをするほうが望ましいです。葬儀会場を飾る準備に間に合うよう余裕をもって、通夜の前日の夕方までには手配しましょう。(1日葬の場合は葬儀前日の午前中まで)
供花の選びかた
供花の種類は、葬儀の打合せの際、ご遺族と葬儀会社のスタッフとの間で話し合われます。以下のようなポイントを考慮し、ご遺族の意向によって決定することが多いです。
・祭壇に合わせた色合いにするか
・故人様が好きだった色にするか
・白菊がよいか、または寂しい印象にならないよう色のある洋花も含めるべきか
・統一感を出すために、外部供花の金額を統一するか
など
また宗派によっては、花ではなく樒(しきみ)を用意することもあります。
宗教による選びかたの違い
宗教によっても、供花の選び方は異なります。
例えば仏式の場合は、白い花をメインに選ぶのが一般的です。白菊、白百合、白い胡蝶蘭などがよく使われます。黄菊や淡い色の胡蝶蘭を添えてもよいでしょう。造花も使用することが可能です。
神式の場合は、仏式と同様に白い花をメインに選びます。白菊や黄菊などが選ばれることが一般的です。造花も使用できます。
キリスト教式は、生花に限られるため注意が必要です。洋花が好まれる傾向があります。白百合やカーネーションなどが一般的でしょう。スタンド花ではなく籠花とする点も特徴です。
供花を注文するタイミング
供花を準備するタイミングは、お通夜とお葬式で異なります。
通夜に贈る場合は、通夜当日の午前中までに届くように手配しましょう。遅くとも通夜の2~3時間前には届くように準備が必要です。ただし、あまりにも早すぎると、あらかじめ準備していたと思われてしまうかもしれません。
葬儀や告別式に贈る場合は、前日までに届くように手配しましょう。当日に届けると、祭壇の飾り付けが終わっている可能性があります。
また、どちらにも間に合わなかった場合は、初七日から四十九日の間に自宅にお花を贈り、霊前にお供えしてもらいましょう。
供花の金額相場
外部供花の金額は15,000円~50,000円(税別)程度が相場です。
また、供花のタイプによっても、金額相場は違うため注意が必要です。
スタンドタイプは、花の種類や大きさによって値段が変わりますが、一般的には30,000万円から50,000万円程度が相場です。リースタイプはスタンドタイプよりも安価で、10,000円から30,000円程度が相場です。
故人様やご遺族との関係性や、個人で供えるのか、連名で贈るのか、団体や会社として供えるのかによっても予算は変わります。また、ご遺族の意向によって統一された種類や色味、金額が決まっていることもあるため、事前に葬儀会社に確認しておくと安心です。
一方、会社関係などで贈る外部供花の場合は、15,000円~20,000円(税別)程度が相場です。精算についても葬儀当日に受付などで精算ができるのか、後日の振込での支払いになるのかなどについて確認しておくとよいでしょう。葬儀に参列して当日に精算する場合は、釣り銭のないように準備しておくのがマナーです。
供花の並べかたと札名の書きかた
供花を並べる順番や札名の書きかたにも注意が必要です。ここでは、それぞれのマナーについて確認しておきましょう。
供花を並べる順番
供花の飾り方には決まった順番があります。祭壇の右側が上手(かみて)、左側が下手(しもて)です。また、祭壇に向かって右側の一番上段の内側が1番の供花となります。
喪主供花がある場合には、1番の位置に(一対の場合は1と2に)喪主の名札を立てるのがマナーです。以降、上段から右側と左側を交互に、内側から外側に向かって血縁の濃いご親族から順に飾ります。
その後、個人名で贈られた供花を故人様との関係が近い方から順に飾ります。
次に、故人様の所属していた団体や「友人一同」といった個人的なお付き合いのあった方々からの供花を、関係の深さに従って並べます。会社の名前の入っているものは最後に、地位の高い方から順に飾ります。
故人や喪主の勤務先やその取引先など、複数社ある場合には、喪主の意向に従って札順を決定します。
札名の書きかた
お通夜やお葬式の供花につける札名に贈り主の名前を書く際には、自分の立場や関係性に応じて敬称や肩書きをつける必要があります。
縦書きが基本で、連名の場合は札の右側から地位や肩書が上の方や年長者の名前から記入します。夫婦の場合は夫が右側、妻が左側に記入するのがルールです。会社名は正式名称を用い、社名が長くて書ききれない場合を除いて(株)などの略称は使いません。
親族や友人など個人で贈る場合は、敬称として「様」をつけるのがマナーです。会社や団体で贈る場合は、敬称として「御中」をつけます。
複数の方と連名で贈る場合は、人数によって名札の書き方が変わります。3名までの場合は、全員の名前を書くことが可能です。4名以上の場合は、代表者1名と「他○名」と書くのが一般的でしょう。また、一番目上の方の名前を右側に書きます。
まとめ
供花の役割は葬儀式場を飾り、故人様を偲ぶためだけではありません。供花にはもう1つの重要な役割があります。葬儀の最後に、故人様のへ手向ける「ありがとう」「おつかれさま」「お世話になりました」といった気持ちをそえる役割です。
さまざまな想いをお花に込めて、ご遺族をはじめとした参列者の皆様に棺の中に手向けいただきます。ご縁のある方々のお気持ちとお花の香りに包まれて、故人様は旅立ちになられます。
皆さまからの供花は、故人様への最後の贈り物といえるのではないでしょうか。
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