回忌法要とは?数え方や一周忌・三回忌法要の流れも紹介
2022.12.01
故人様の一周忌や三回忌に執り行われる法要は、回忌法要と呼ばれています。法要は定期的に執り行われますが、毎年行われるものではありません。一定のルールに則り、定期的に実施されることが一般的です。
しかし、どのようなタイミングで回忌法要が執り行われるかについては、詳しく知らない方も多いでしょう。そこで今回は、回忌法要の数え方や、一周忌・三回忌などの流れなどについて解説します。
回忌法要とは
回忌法要とは、故人様の命日から数年ごとに執り行う法要です。なお、四十九日までに執り行われる法要は、追善法要と呼ばれています。
法要は、命日の当日に執り行うのが理想です。しかし実際には、参列者さまの都合もあり、近年は予定を合わせて週末に行うことが多くなりました。ただし、必ず命日より早めの日に執り行うのが慣わしです。
年忌法要について
回忌法要は、年季法要と呼ばれることもあります。故人様の祥月命日に執り行う、供養の儀式です。浄土真宗本願寺派(西本願寺)では、回忌ではなく回会(かいえ)と呼ぶため覚えておきましょう。
年忌法要は、一周忌から始まります。一周忌法要とは、故人様が亡くなった年の翌年に営まれる、はじめての祥月命日の法要です。
一周忌までが喪中となり、この日をもって喪が明けることになります。喪中に迎えた正月は、年賀状や年始挨拶、正月飾り、初詣などの正月行事は控えるのがマナーです。
一周忌の翌年に営まれるのが三回忌で「これから3年目を迎えますよ」という意味で、三回忌と呼ばれています。以後、三回忌から亡くなった年を含めて数え、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌、と追善供養の法要が続くことが一般的です。
年忌法要は故人様がなくなった日に執り行うことが基本ですが、ご家族やご親戚の都合に合わせ日程を調整する場合もあります。
なお法要は、僧侶による読経や焼香などを執り行う儀式です。一方、法事は儀式の後にお食事会などが行われる行事のため、法要を包含したものだといえます。
回忌法要の数え方
回忌法要を実施する日は、故人様の命日から数えます。命日から1年後が一周忌です。
ただし、故人様の命日から満2年を経過した場合、1を加えた三周忌となります。
その後は、七回忌、十三回忌など、三と七が付く年に回忌法要を行うことが一般的です。
回忌法要を実際に執り行う年については、以下の表を参考にしてみてください。
回忌法要の名称 |
法要の実施日 |
一周忌 |
故人様の命日より満1年(没年翌年の命日) |
三回忌 |
故人様の命日より満2年(没年の翌々年) |
七回忌 |
故人様の命日より満6年(没年より6年後) |
十三回忌 |
故人様の命日より満12年(没年より12年後) |
十七回忌 |
故人様の命日より満16年(没年より16年後) |
二十三回忌 |
故人様の命日より満22年(没年より22年後) |
二十五回忌 |
故人様の命日より満24年(没年より24年後) |
二十七回忌 |
故人様の命日より満26年(没年より26年後) |
三十三回忌 |
故人様の命日より満32年(没年より32年後) |
三十七回忌 |
故人様の命日より満36年(没年より36年後) |
四十三回忌 |
故人様の命日より満43年後(没年より42年後) ※実施しないケースが多い |
四十七回忌 |
故人様の命日より満47年後(没年より47年後) ※実施しないケースが多い |
五十回忌 |
故人様の命日より満49年(没年より49年後) |
三と七の付く年に執り行われる理由
回忌法要が三と七の付く年に執り行われるのは、仏教で大切にされている数字が三と七であるためです。
本来、回忌法要は、故人様の命日に毎年行うべきものだといえます。しかし、僧侶や親戚一同を集めて、毎年法要を行うのは非常に大変です。そのため、法事を実施する年を決めていったといわれています。
「七」は、お釈迦様が生まれたときに7歩歩いたという伝説がもっとも有名でしょう。また、私たちの迷いの姿である六道(迷いある者が輪廻する世界)を越えて悟りに至ることを暗示しており、6を超える7という数字が、迷いを越えるという意味で大切にされているといわれています。
「三」も七と同様、2を超えるという意味です。「有・無」「勝・負」「損・得」など、両極端に偏った考え方を離れた、中道(ちゅうどう)の生き方を意味します。中道は、仏教では大切な考え方であり、お釈迦様も息子に「二を超える生き方をせよ」と伝えたそうです。そのため「三」という数字も、仏教では非常に大切にされています。
このように、毎年法要を実施できなくても、仏教で大切とされる「三」と「七」の数字が付いた年忌だけ、法要を行う習慣になったようです。
一周忌法要の概要と流れ
最初に執り行う回忌法要である一周忌法要は、非常に重要な儀式です。ここでは、最初に実施される一周忌法要の概要と流れについて確認しておきましょう。
一周忌法要とは
一周忌法要とは、故人様が亡くなってから、1年後の命日に行われる法要です。年忌法要のなかで、もっとも重要なものと位置づけられています。
家族や親族のほか、故人様と縁の深かった友人や知人などを招いて、法要を執り行うことが一般的です。僧侶の読経の後、焼香や食事会などが実施されます。
命日が平日で、仕事や学校で都合が悪い場合には、日程をずらすことも可能です。ただし、その際には、命日の後ではなく、日程を前倒して実施します。
一周忌法要の流れ
一周忌法要を行う際には、最初に日程を決め、次に会場を決めた後、お寺に連絡をしましょう。出席者(ご親戚、友人、知人)へ案内し、お布施や供花、お供物、必要に応じて引き出物など用意します。
一周忌法要を執り行う大まかな流れは、以下の通りです。
・日程を決定:一周忌は満1年目の命日ですが、平日に当たる場合は前倒しをして土日祝日に行います。
・会場の決定:自宅にするか、それともお寺や貸式場などで行うのかを決めます。
・お寺への連絡:菩提寺がある方は、連絡をして読経の依頼を行いましょう。
お寺とお付き合いがない場合は、葬儀の際にお世話になった葬儀会社へ相談するのがおすすめです。
・出席者への案内:ご遺族やご親族だけなど、小規模で行う場合は、電話連絡でよいでしょう。
・供花やお供え:ご遺族やご親族が前日までに手配します。お供えは、お線香のほかに、出席者が分けられるものを選ぶことが一般的です。果物やお花のほか、故人様が好きだった場合には、アルコールなどを用意しても構いません。
三回忌法要について
故人様が亡くなって2年後に執り行う、三回忌法要には特別な意味もあります。三回忌法要の概要と由来について確認しておきましょう。
三回忌法要の概要
三回忌法要とは、故人様が亡くなってから満2年が経過した後に行う法要です。一周忌を過ぎると「回忌」という数え方になります。
三回忌法要の流れは、基本的に一周忌法要と同じです。ご親族や故人様と親しかった方々を招き、供養を行う儀式です。三回忌法要も、四十九日法要や一周忌法要に次ぐ、大切な法要といわれています。
一周忌法要と同様、お寺や葬儀会社と相談をして、法要の日程を決めます。次に、法要場所を自宅で行うか、菩提寺、あるいは貸式場で行うかを決めましょう。
一周忌と三回忌は、1人の法要を行うことが習わしです。七回忌以降は、同じ年に法要が重なった場合、まとめて行ってもよいといわれています。
三回忌までは、ご家族やご親族のほか、故人様と縁の深かった方々を招きます。しかし、七回忌以降は、ご親族だけで行う場合が多いです。
三回忌法要の由来
三回忌法要は、中国の儒教にある「十王信仰」に基づいて行われる法要といわれています。
冥界に10人の王がいると考える十王信仰においては、初七日から四十九日までの間に、故人様は7人の王から裁きを受けるといわれています。その後に執り行われる百箇日、一周忌、三回忌で3人の王から裁きを受け、来世の道が決まると考えられているそうです。
つまり三回忌とは、故人様が最後に受ける裁きといえます。
十王信仰とは、死後初七日から三回忌まで10回にわたり、前世の功罪を裁き来世の生を定める王のことです。子どもの頃「嘘をつくと閻魔(えんま)様に舌を抜かれるぞ」とよく言われたと思います。閻魔様も十王の1人です。
七回忌以降について
七回忌以降は、50回忌まで回忌法要を執り行うのが風習です。それぞれについて、簡単に解説します。
七回忌(満6年)
七回忌とは、故人様が亡くなってから満6年に執り行う法要です。ご遺族やご親族だけで、故人様を偲ぶ法要を執り行います。三回忌以降は、お招きする方を減らすなど、規模を小さくして行うケースが多いです。
七回忌法要の手順としては、一周忌や三回忌の場合と同様、僧侶による読経や参列者による焼香、その後一同で会食することが一般的です。最近は住宅事情などにより、法事はお寺で行うことが多くなりましたが、七回忌以降は参列者が少ないため、自宅で行うことも増えています。
十三回忌(満12年)
十三回忌法要も、ご遺族やご親戚など、小規模で行われることが多いです。僧侶を自宅に招いて読経を執り行い、参列者によるお焼香の後、一同での会食となります。
十七回忌(満16年)~五十回忌(満49年)
十七回忌法要以降は、二十三回忌(満22年)、二十七回忌(満26年)、三十三回忌(満32年)、三十七回忌(満36年)、四十三回忌(満42年)、四十七回忌(満46年)、五十回忌(満49年)という順番に、法要を執り行うのが一般的です。
どの年忌法要においても、故人様を偲ぶ気持ちは変わりませんが、規模は小さくなっていきます。ご親族が遠方にいて招待が難しい場合などは、地元のご親族のみで内々に執り行うこともあるでしょう。また昨今においては、法要そのものを行わないケースも散見されます。
弔い上げについて
「法要は何回忌までしたらよいのだろうか?」と疑問に思う方もいると思います。
最後の法要は「弔い上げ(とむらいあげ)」や「問い切り」と呼ばれます。時期は明確に決まっていませんが、三十三回忌を最後の法要にする場合が多いです。
回忌法要の回数は、地域の慣習や菩提寺の考えなどによって異なるため、各家庭に合った方法で決める必要があります。近年は、故人様を知る方がいなくなったときが、弔い上げのタイミングになる場合が多いようです。仏教において、三十三回忌や五十回忌を迎える頃には、どんな方も無罪放免となり極楽浄土へ行けるという教えがあることも、弔い上げを行う理由といわれています。
三十三回忌を弔い上げにすることが多い理由は、故人様が亡くなって約30年経つと、世代が概ね一巡するためです。五十回忌や百回忌を行うケースもありますが、これらは「長く家が続いたことへのお祝い」という意味合いが強くなる傾向にあります。
まとめ
ご遺族やご家族、友人などが、故人様のことをいつまでも大切に思い続けることは、なによりの供養になることでしょう。年忌法要に該当しない年でも。毎月訪れる月命日や一年に一度訪れる祥月命日を特別な日とし、故人様を思い偲ぶ日になるとよいかもしれません。
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