四十九日法要の香典について。関係性や出欠による相場の違い、香典袋の書き方などをご紹介

2023.10.07

法要の中でも、初七日法要と同じくらい重要な儀式が四十九日法要です。四十九日法要に参列する際には、香典を準備しなくてはいけません。そのため、適切なマナーや金額相場を把握しておくことが大切です。

ここでは、四十九日法要の香典について。関係性や出欠による相場の違い、香典袋の書き方などをご紹介します。事前に内容を確認し、当日慌てることことがないように準備しておきましょう。

四十九日法要とは

四十九日とは、故人様が亡くなった日から数えて49日目をさします。仏教において、人は亡くなってから49日後に極楽浄土へ向かうと信じられています。また、7日ごとに生前の行いについての裁判が執り行われ、49日目に判決を受けて極楽浄土に行けるかどうかが決まるそうです。

そのため、本来は7日ごとに法要を行い、故人様が極楽浄土に行けることを祈って供養が執り行われていました。しかし近年は省略され、最初の7日目(初七日法要)を葬儀とあわせて行い、もっとも重要である49目(四十九日法要)のときだけ、法要を執り行うことが多くなりました。

なお関西の一部地域では、四十九日の前日に法要を行うことがあります。これは「逮夜(たいや)」という風習があるためです。逮夜とは、命日の前夜のことをさします。よって、四十九日の数え方が異なるため、前日に四十九日法要が執り行われるわけです。

このように、地域によって日数の数え方や法要を執り行う日は異なる場合があります。
お住まいの地域の風習にあわせて行うとよいでしょう。

四十九日法要の香典相場とは?関係や出欠可否などによる違い

香典とは、線香や花の代わりにお悔やみの気持ちを込めて御霊前に供える金品です。「急な不幸で出費が大変だろう」という、助け合いの意味も込められています。ここでは、四十九日法要における香典の相場を、関係や出欠による違いもふまえて確認しておきましょう。

四十九日法要における香典の相場

香典の金額は、高すぎるとご遺族に気を遣わせてしまいます。しかし、逆に低すぎても失礼にあたるため注意しなくてはいけません。

四十九日法要で包む香典の相場は、お通夜・葬儀で渡した香典の約半額が相場です。また、故人様との関係や立場によっても異なります。故人様との関係が近い人ほど、包む金額も多くなる傾向があります。関係による四十九日法要の香典相場は、以下のとおりです。

祖父母の場合

故人様との関係が祖父母の場合、四十九日法要の香典相場は1万円~3万円程度です。両者の関係性が深いため、最低でも1万円は包むことが一般的でしょう。包む人が20・30代の場合は、5,000円~3万円でもよいといわれています。

親の場合

故人様との関係が両親である場合、四十九日法要における香典の相場は、5万円~10万円程度です。身内の中でも関係性がもっとも深い相手のため、5万円程度を包むことが一般的でしょう。なお、包む人が20・30代の場合は、1~5万円程度でもよいといわれています。
 
ただし、自身が法事を行う施主である場合は、法事費用を負担しているため、香典を用意する必要はありません。

兄弟姉妹の場合

故人様との関係が兄弟姉妹である場合、四十九日法要における香典の相場は1万円~5万円程度です。一家の働き手であったり、ご遺族に子どもがいたりする場合は、相場より多く包むこともあります。

叔父・叔母の場合

故人様との関係が叔父・叔母である場合は、四十九日法要における香典の相場は5,000円~3万円程度です。包む人が40代・50代の場合は、3万円程度を包んでもよいでしょう。

ここまでの内容を踏まえた、関係と年齢ごとの四十九日法要における香典相場については、以下の表をご参照ください。

関係

20代

30代

40代~

祖父母

5,000~1万円程度

5,000~3万円程度

1万~3万円程度

1万~5万円程度

1万~5万円程度

5万~10万円程度

兄弟姉妹

1万~1万円程度

1万~3万円程度

1万~5万円程度

叔父・叔母

5,000~1万円程度

5,00円~1万円程度

1万~3万円程度

友人・近所・職場関係の場合

故人様が友人や近所の方・職場関係の場合は、四十九日法要における香典の相場は3,000円~1万円程度です。四十九日法要は、基本的に家族・親族で行うことが一般的であるため、法要に招かれるケースは珍しいでしょう。

会社内や町内会など、連名で香典を包む場合は、事前に金額を決めて人数で割るのが一般的です。

法要後に会食が行われる場合

新型コロナウイルスによる影響が薄れ、葬儀や法要の席でも会食する機会が増えています。法要後の精進落としの費用相場は、1人あたり5,000円~1万円程度です。

参列者は上記の香典に加えて、5,000円~1万円をあわせて包んでおくと失礼がないでしょう。

四十九日法要を欠席する場合

ご親族であれば四十九日法要に招かれた場合、参列するのが一般的です。ただし、やむを得ない事情により出席できない場合は、まず電話で欠席の旨を伝えます。その後、出席できないことへのお詫び、追悼メッセージなどを添えて手紙を送るとよいでしょう。

香典を代理で渡してもらう場合

香典を代理で渡してもらう場合は、表書きの名前の左下に(代)と記載しましょう。配偶者が代理で出席する場合は、左下に(内)と記載します。

香典を郵送する場合

香典を郵送する場合は、前日までに届くように現金書留で手配します。その際、お詫びの手紙を同封するほうが丁寧です。以下に、例文を記しますのでご参照ください。

例文

前略


このたびは〇〇様の四十九日法要にお招きいただきありがとうございます

日頃よりお世話になっておりました〇〇様の四十九日法要に参列しお悔やみ申し上げるべきところ都合が合わずお伺いすることができぬ失礼をお許しください

お招きいただいたにもかかわらず参列できず誠に申し訳ございません

心ばかりのものを同封いたしますので御仏前にお供えくださいますようお願い申し上げます

後日改めてお伺いしお参りしたく存じます

皆様もどうぞご自愛くださいませ


草々

四十九日法要の香典袋を選ぶとき・書き方の注意点

四十九日法要の香典袋は、葬儀のものとは異なるため、ご遺族に失礼がないように確認が必要です。ここでは、四十九日法要の香典袋に使用する香典袋の選び方や、水引の種類、表書き、表書き、名前などを記述するときの注意点をご紹介します。

四十九日法要に使う香典袋の選び方と水引の種類

近年の香典袋は、あらかじめ水引が印刷されているものもありますが、金額に応じて最適なものを選ぶことが大切です。基本的には、葬儀に使用するもので問題はありません。

四十九日法要における香典袋の水引は、仏式では黒白か双銀を使用します。関西地方では、黄白が使われることは多いです。お通夜や葬儀では黒白の水引を使用し、法要では黄白を使用する地域もあります。心配な場合は、事前に確認してから用意するとよいでしょう。

水引の結び方は「結び切り」で行います。結び切りには「同じような不幸が起きてほしくない」という意味が込められているためです。水引の本数は3本、5本、7本、10本とありますが、本数の用途については諸説あるため、5本の水引を選ぶことが一般的でしょう。

水引の色は、香典袋の中に入れる金額によって使用する色が異なります。以下の図を参考に、適切なものを選びましょう。

水引の色

金額

黒白 印刷

3,000円~5,000円程度

藍銀 印刷

5,000円~1万円程度

黒白 水引糸

1万~3万円程度

双銀 水引糸

5万円以上

大金封

10万円以上

表書きを書くときの注意点

四十九日法要の香典袋の表書きは、水引の上部に「御仏前」または「御佛前」と記載するのが一般的です。「御霊前」は通夜から三十五日法要まで使用するため、49日法要以降は「御仏前」は使用しません。ただし、浄土真宗の宗派では即身成仏の教えにより、四十九日法要以前でも「御仏前」を使用します。

表書きをどのように書けばよいか迷ったときには「御香料」「御香典」「御供物料」などを選ぶとよいでしょう。お通夜や葬儀とは違い、書くときは薄墨ではなく、濃墨を使用します。

名前を書くときの注意点

名前を書くときは、水引の下側の中央に手書きするのが一般的です。表書きは印刷されたものでも構いませんが、名前は手書きがよいでしょう。

個人、夫婦の場合

個人で香典を出すときは、中央に氏名を記入します。その場合、中央に夫の氏名を記入して、左側に妻の名前のみを書き添えましょう。また、夫の代理で参列する場合は、左下に(内)と記入します。

連名の場合

連名で香典を出す場合は、それぞれの氏名を記入しましょう。上下関係がある場合は、目上の人を右側に記入し、上下関係がない場合は、右から五十音順に記入します。なお、香典袋に記入するのは、最大3名までが目安です。

4名以上の場合

4名以上で香典を出す場合は、代表者の氏名を記入します。その左側に「外一同」と書き添えましょう。会社の場合は「〇〇株式会社 一同」と記入し、代表者以外の氏名は、別紙に全員の氏名を記入します。

中袋を書くときの注意点

弔事の場合、中袋の表面には何も記載しません。裏面の右下に金額を記入し、左下に氏名と住所を記入します。金額を記入する際は、頭に「金」と記入し、数字は漢数字・旧字体で記入するのが望ましいでしょう。最後に「阡円」「萬円」と記入します。

連名の場合は、2名までは裏面に記入し、3名以上の場合は、各々の住所・氏名を別紙に記入して同封しましょう。

香典にお札を入れるときの注意点

お通夜や葬儀では、あらかじめ不幸を予測し準備していたと捉えられてしまうことを避けるため、新札の使用は避けるべきです。一方、四十九日法要は事前に日程が決められており、招かれた人が出席するため新札を使用しても問題はありません。

四十九日法要の香典は、お札の顔を裏向きにして入れるのがよいでしょう。中袋を裏にして開けたときに、人物が描かれている表側は香典袋の裏面を向くように入れます。また、お札の向きを揃えて、袋の下側に人物がくるように入れるのがマナーです。

香典袋の外袋をたたむ場合は、下側を先に折り、上側が下側の上になるようにします。この順番の折り方には「悲しみを下に流す」という意味が込められており、慶事とは逆の折り方になるため注意が必要です。

まとめ

四十九日法要は、大切なご家族やお世話になった方が極楽浄土に向かうためのお通夜や葬儀と同じように大切な節目です。お通夜や葬儀とは異なり、前もって日時がわかるため、失礼のないように準備できます。その中でも香典は、他の人との違いが表れやすいものだといえるでしょう。

香典袋の種類や渡し方について確認しておくことにより。気持ちを落ち着かせられます。故人様やご家族に対する、お悔やみの気持ちを正しく伝えられるようにしましょう。

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