死後の遺体処理とは?ご遺体の変化となくなってからの流れ
2022.05.25
ヒトは生物であるため、死亡すると身体にさまざまな変化が現れます。そのため、故人様のご遺体にも適切な処置を施さなくてはいけません。
そこで今回は、死後におけるご遺体の変化や故人様がお亡くなりになった後の流れについて解説します。死後の遺体処理が必要な理由が理解していただけることでしょう。
死後におけるご遺体の変化
故人様がお亡くなりになった後、ご遺体をそのまま放置するとさまざまな変化が現れます。どのような変化が起こるのか解説するので、確認しておきましょう。
死斑が現れる
ヒトが死亡した後、20~30分程度経過すると皮膚に赤い痣のようなものが現れます。これは死斑と呼ばれるもので、だんだん大きくなり12時間ほど経過すると最大化することが特徴です。(ただし個人差があり、環境などによっても変化する)
死斑は心停止後に血流が止まることによって、血管内の血液が下部へ集中することで発生します。血液が減る皮膚の周辺は真っ白になり、下部に溜まった血液が透けて見える現象が死斑です。
死後10時間程度は血液が凝固しないため、死斑も流動的になりますが、その後20時間程度で固定されます。
死後硬直の状態になる
ヒトは死後、2時間程度経過すると体内で化学反応が起こり、筋肉が硬直して間接が動かなくなります。これが死後硬直と呼ばれる状態です。
死後2時間程度で顎間接の硬直を皮切りに、その後6~8時間程度かけて全身に広がります。20時間後あたりが、もっとも硬直状態が強いです。しかしその後、ご遺体の腐敗が進むため、死後硬直が徐々に解けていきます。
腐敗がはじまる
死後硬直と並行して、ご遺体の腐敗がはじまります。消化器系である胃や腸から腐敗がはじまった後、体内にガスが発生し腹部が淡い青色に変色するでしょう。さらに時間が経過することで、腐敗が全身へと波及し体が膨らんでいきます。
その後、さらに腐敗が進むことで赤褐色→黒色へと変貌し、身体の組織崩壊とともに腐敗汁や骨の露出などが確認されるでしょう。
なお、ご遺体は非常に乾燥しやすいので、保湿剤の使用が必須です。また、ご遺体はドライアイスなどの処置を適切に実施することで、死後3~4日後の葬儀の間は、大きな変化はみられないでしょう。ただし、気温や湿度、ご遺体の状態によっても、腐敗の仕方が異なりますので、葬儀会社のスタッフなどに相談しながら対応する必要があります。
故人様が亡くなってからの流れ
故人様がお亡くなりになってから、ご遺体の納棺までの処置や手続きの流れを解説します。短期間にやるべきことがたくさんあるので、おおまかな流れを把握しておくことで、いざというときに役立つでしょう。
ご臨終からご遺体安置まで
故人様がお亡くなりになってから、ご遺体を霊安室へ安置するまでの流れを解説します。
医師の死亡判定・末期の水
ご家族がお亡くなりになった後、医師による確認が行われ死亡判定書が発行されます。病院でお亡くなりになった場合は、その場で発行してもらえますが、自宅などでお亡くなりになった際は、かかりつけの医師に相談して入手しましょう。
死亡診断書とは、ヒトの死亡を医学的な観点から確認し、法律的に死亡が確定したことを証明するための書類です。故人様がお亡くなりになるまでの過程が、時系列でこまかく表記されています。なお、故人様の死亡後7日以内に、役所へ提出しなければいけません。
死亡診断書は今後、故人様のご遺体を火葬したり埋葬したりする際に必要になる重要な書類です。また、税金の支払いや年金の受給差し止めの手続きを行う際にも必要になるので、大切に保管しておきましょう。
その後、末期の水(まつごのみず)と呼ばれる儀式を執り行います。末期の水とは「死に水」ともいわれ、故人様があの世で喉の渇きに苦しまないようにという願いが込められた儀式です。
ご家族やご親戚など親しい方が、脱脂綿やガーゼなどに含ませた水を、割りばしで挟んで故人様の唇を潤します。
清拭・着替えの実施
次に、故人様の全身をアルコールに浸した脱脂綿などで拭き清める清拭(せいしき)を行います。故人様の顔や首、手足を中心に拭きとっていきましょう。また口や鼻、耳、肛門などには、体液の漏れを抑制するために脱脂綿やオムツによる対策が必要です。
故人様の目や口が開いている場合は閉じ、髪を整えて爪が伸びていたら切ります。男性の場合はひげを剃り、女性の場合は薄化粧を施すことが一般的です。
清拭が終わったら、浴衣や故人様の衣服などに着替えさせましょう。
病院にご遺体を安置
病室から霊安室へ移動され、安置されている故人様のご遺体は、数時間以内に別の場所へ運ぶ必要があります。これ以降、ご家族やご遺族が、さまざまな調整を行わなくてはいけません。
葬儀会社の手配から葬儀の手続きまで
次にやるべきことは、葬儀会社の手配とお通夜、お葬式の準備です。おおまかな流れを紹介します。
葬儀会社の手配
ご遺体の移送先と葬儀会社を決める必要があります。
近年はご遺体を自宅へ運ばず、そのまま斎場へ搬送することが多くなりました。搬送先が決まったら、葬儀会社へ連絡して調整を行いましょう。
なお、一旦搬送だけを葬儀会社へお願いし、その後の葬儀に関しては別の葬儀会社へお願いすることも可能です。短い時間でいろいろなことを調整する必要があるので、きちんと説明を聞かずに葬儀会社を決めてしまう方もいらっしゃるので注意しましょう。
ご遺体の移送・安置
自宅や斎場へご遺体を搬送したら、まずお布団へ安置します。ご遺体を北枕にして安置し、故人様の枕元に枕飾りと呼ばれる、白木の台の上に香炉や線香などが置かれたものを添えることが一般的です。なお通常、枕飾りは葬儀会社のスタッフが手配してくれます。
僧侶による枕勤め
葬儀の会場に僧侶が到着したら、故人様のご遺体の枕元で枕経を読む、枕勤めの儀式を執り行います。ただし、最近は個人様がお亡くなりになった際、病院で実施されることも増えました。また、お通夜の読経と併せて実施することも多いです。
僧侶による枕勤めはご家族やご親族が、故人様がお亡くなりになった後、はじめて体験する仏事になりますが、平服で参加しても問題はありません。これ以降、喪服へ着替えることになります。
葬儀の手続き、準備
僧侶の枕勤めが終了したら、葬儀会社と調整しプランを確定します。お通夜とお葬式の準備をはじめるためにも、早めに決定することが望ましいです。
このほかにも、葬儀の告知や菩提寺への連絡など、多くの調整が必要です。大切な方を失った悲しみの中、短い期間で多くの決断と調整が必要になります。はじめてのことも多いので、葬儀会社のスタッフに相談しながら着実に進めていきましょう。
湯灌から納棺まで
葬儀の手続きが終わったら、湯灌の儀式を行い、故人様のご遺体を棺へ納めます。
湯灌の実施
「湯灌(ゆかん)」とは、故人様をお風呂に入れてさしあげる儀式のことです。しかし、実際には、葬儀会社のスタッフが給排水装置を備えた専用の機器を持ち込んで湯灌を実施します。
湯灌には故人様の身体を洗い清めるという意味がありますが、近年は前述した清拭と兼ねるケースも多くなりました。そのため、湯灌を執り行いたい場合は、葬儀会社のスタッフにあらかじめ相談しておきましょう。
ご遺体に死装束を着せる
納棺の際、故人様に死装束を着ていただきます。死装束は、故人様があの世へ旅経つ装いのことで、白の巡礼服を着用することが一般的です。しかし近年は、故人様が愛用していた衣服を着ていただくケースも増えています。
ご遺体を納棺する
葬儀会社のスタッフがサポートしながら、棺にご遺体を納める納棺を執り行います。このとき、故人様にゆかりのある品やお花などの副葬品も一緒に埋葬することが可能です。
ご遺体を棺に納め、合掌して棺の蓋を閉じます。なお、副葬品については以下の記事で詳しく詳細しているので、参考にしてみてください。
関連記事:副葬品とは?棺に入れられるもの、入れてはいけないもの
まとめ
今回は死後におけるご遺体の変化や故人様がお亡くなりになった後の流れについて解説しました。ご家族やご遺族は短期間にさまざまな手続きや儀式を執り行う必要があるので、大まかな流れを理解しておくと、いざというときにも慌てずに対応できるでしょう。
しかしながら、大切な方が亡くなった悲しみの中、はじめてのことが多く困惑することも多いと思います。その際には、弊社のような葬儀会社のスタッフに相談していただければ、適宜サポートさせていただきます。
なお、横浜市、川崎市で一日葬を行う場合には、実績豊富な弊社、お葬式の杉浦本店にご相談ください。創業130年の信頼と安心が自慢です。横浜市、川崎市で葬儀をご検討の方に、最適なプランをご提案いたします。
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