創価学会の友人葬とは?一般的なお葬式との違いや式の流れをご紹介

2023.05.11

friend-funeral-of-soka-gakkai近年、お葬式の形式は多種多様です。また、以前よりもお葬式の規模が小さくなり、故人様に近しい方のみで実施するケースも増えてきました。そのため家族葬や一日葬、直葬を実施するご家庭も多いでしょう。

創価学会の会員が亡くなった際には、友人葬と呼ばれるお葬式を行います。友人葬は一般的なお葬式と比べ、式の流れを含め異なる部分が多くあります。

そこで今回は、創価学会の友人葬がどのようなものなのか、一般的なお葬式との違いや式の流れについて確認しておきましょう。

創価学会の友人葬

創価学会の友人葬とは、故人様のご家族や親しい友人などが参加して執り行われるお葬式です。宗派や宗教を問わず参列できます。

創価学会の会員が亡くなった場合は、友人葬が執り行われるケースが多いです。ただし創価学会の会員の方だからといって、必ずしも友人葬を行う必要はありません。違う形式のお葬式を実施する方もいます。

創価学会とは、日蓮大聖人を信仰する法華経系の在家仏教団体です。1991年頃より、現在の形式の友人葬がスタートしたといわれています。現在では、ご遺族と身近な友人の方々が集まり「まごころ」からの追善供養を行うのが一般的でしょう。

創価学会のまごころとは、創価学会の教義や理念に基づく心のことです。創価とは「価値」の「創造」を意味します。創価学会では「万人の幸福」と「世界の平和」という価値の創造をめざしており、まごころをもって人と人とのつながりを大切にすることが重要だと考えられています。

まごころからのお題目による追善回向は、故人様を悼む心とともに、創価学会で大切にされている考え方です。そのため友人葬は、仏法の精神や本義に則ったお葬式であると考えられています。

創価学会の御本尊は、大聖人があらわされた南無妙法蓮華経の文字曼荼羅です。式次第に関しましては、一般的なお葬式と大きな違いはありませんが、一部相違点もあります。式の進行など詳細については、後ほどご紹介します。

創価学会の友人式におけるお経・念仏・お題目

創価学会の友人葬では、お題目やお題目三唱といった言葉が使われます。耳馴染みのない方も多いと思われるため、ここでは、友人僧におけるお経と念仏、お題目の違いを確認しておきましょう。

友人葬のお経

友人葬では、法華経の方便品と寿量品の自我偈(じゅりょうぼんのじがげ)を読み「南無妙法蓮華経」のお題目を唱え、まごころからの追善供養を行うのが一般的です。

法華経の方便品とは、法華経の第二品目のことで、お釈迦さまがこれまでに説いた三乗の教えは、すべて方便(ほうべん)という仮の教えであり、真の教えは一乗という仏になるための唯一の道であると明らかにされます。また、方便品は「開三顕一」と呼ばれることもあります。これは「三乗を開いて一乗を顕わす」という意味です。方便品は、法華経の中心的な思想である一念三千(いちねんさんぜん)の法門も示されています。一念三千とは「一つの心には三千の世界が含まれている」という意味です。

一方、寿量品の自我偈とは、法華経の第十六品目である如来寿量品の最後にある偈(げ)をさします。偈とは、仏教の経典で使われる詩の形式の1つであり、自我偈は「自我得仏来」という言葉からはじまるため、この名前がつけられました。自我偈では、お釈迦さまが「自分は永遠に仏であり、人々を救うために仮にこの世に現れた」と説きます。法華経の中でもっとも重要な部分であり、仏法の真髄とされています。

友人葬の念仏

友人葬の念仏は「南無妙法蓮華経」を唱えます。これは法華経の題目であり、創価学会の信仰の根本です。念仏は、故人様の御本尊に向かって唱えることにより、故人様の往生を祈ります。

念仏とは、仏の名称を唱えたものであり、仏に対する誓いや願いなどを念ずるものです。念仏の多くは、浄土宗や浄土真宗で用いられます。浄土宗や浄土真宗には「極楽浄土へと往生するために、ひたすら念仏を唱える・念じる」という考え方があるためです。

友人葬における経典のお題目

友人葬における経典のお題目は、創価学会が大切にする法華経の中の「南無妙法蓮華経」という言葉です。このお題目は、故人様の往生を祈り、追善供養を行うために唱えます。友人葬では、参列者全員でお題目を唱えることが特徴です。

お題目とは、経典の名称を意味します。念仏に近いですが、意味合いとしてはお経に近いものだといえるでしょう。お経は僧侶でなければ、難しくて読めません。お題目は経典の名称を唱えることによって、簡易的にお経を唱える意味があり、誰にでも唱えやすい点が特徴です。お題目は創価学会だけでなく、日蓮宗でも用いられています。

創価学会の友人葬と一般的なお葬式の違いは4つ

一般的なお葬式と友人葬の違いは、以下の通りです。

・僧侶を呼ばない
・戒名をつけない
・香典は不要
・樒祭壇を使用

ここでは、それぞれの内容について解説します。

1.僧侶を呼ばない

一般的な仏式のお葬式を行う際には、僧侶がお経や念仏を唱えるのが一般的です。

友人葬では、僧侶の代わりに導師と呼ばれる創価学会の学会員が進行を務め、お題目をご遺族・参列者の方々で一緒に唱えます。そのため、僧侶に支払うお布施は必要ないことがほとんどです。

導師は「儀典部」と呼ばれる創価学会の幹部が、友人代表(儀典長)として担当します。

2.戒名をつけない

創価学会の友人葬では、故人様に戒名をつけないことも特徴です。

仏式のお葬式では、故人様に戒名をつけることがほとんどです。戒名は仏弟子の証として与えられる名前をさし、故人様の新しい名前となります。創価学会では「成仏の際、戒名は必要ない」と考えられているため、俗名のまま位牌に故人様の名前を記載します。したがって、お布施や戒名料などは不要です。

3.香典は不要

友人葬儀では、基本的にご遺族への香典を持参する必要はありません。「儀礼的な意味での香典の持参はしなくてもよい」というのが、創価学会の方針であるためです。

しかし弔意を表すために、香典を渡したいという方もいるでしょう。その際は、ご遺族の意向に添うことが大切なため、事前に確認しておくと安心です。

4.樒(しきみ)祭壇を使用

創価学会の祭壇は、樒祭壇を使用します。樒とは、マツブサ科シキミ属の常緑小高木です。創価学会以外にも、樒を供える宗派もあります。

ただし、すべての友人葬において、必ず樒祭壇が使用されるわけではありません。近年は、樒祭壇や白木祭壇ではなく、お花の祭壇を使用される方も多い印象です。またお花の祭壇を使用し、樒を供える場合もあります。

創価学会の友人葬における式の流れ

創価学会の友人葬儀における式の流れは、仏式のお葬式と大きく異なるわけではありません。お通夜・告別式を行う場合や1日葬の場合もあります。

ここでは、一般的な友人僧における式の流れをご紹介します。

1.開始の辞

友人葬の開始の辞では、司会者が故人さまの名前や経歴、ご遺族の紹介などを簡潔に述べます。また参列者に対して、感謝の言葉や式の流れの説明することも特徴です。

開始の辞は、故人様とご遺族への敬意を表すとともに、参列者に葬儀への心構えを促す役割があります。

2.読経・唱題

導師が中心となり、ご遺族と参列者で法華経の誦読と題目を唱えます。故人様の冥福を祈り、法華経の真髄を表す儀式です。読経・唱題は、導師である儀典長(友人の代表)が中心となって行いますが、参列者も一緒に参加できます。

3.焼香

自我偈を実施するタイミングで、焼香が開始されます。焼香の順番は「儀典長→ご遺族→参列者」が一般的です。参列する際には、係員の案内に従うのがよいでしょう。

4.御祈念文・お題目三唱

焼香の後、導師がお題目の終了する合図として、鈴を鳴らします。その後、導師による追善供養の祈念が執り行われ、鈴の合図に合わせ参列者全員でお題目を三唱します。

5.弔慰文、弔電紹介

司会者が弔慰文、弔電を紹介します。(実施されない場合もあります)弔慰文はこの後行われる導師の挨拶の際に一緒に行うこともあるようです。

6.儀典長ご挨拶

儀典長がご遺族や参列者に挨拶をします。

7.謝辞・ご遺族のご挨拶

ご遺族の挨拶を行います。

8.題目三唱

儀典長の合図に合わせて、参列者全員で題目三唱を行います。

題目三唱とは「南無妙法蓮華経」の題目を3回唱えることです。題目三唱は、故人様への最後のお別れとなります。

題目三唱のやり方は、以下の通りです。

  • 「南無妙法蓮華経」を2度唱える
  • 区切りを入れてから、もう一度「南無妙法蓮華経」を唱える

なお創価学会会員でない方は、題目がわからなくても無理に合わせなくても大丈夫です。

9.閉式の辞

司会者が閉式の案内を行います。この後、故人様とお別れをして、出棺という流れです。
出棺の際、喪主が挨拶することもあります。

創価学会の友人葬における骨上げと納骨

創価学会の友人葬を実施し、故人様のご遺体を火葬した後、骨上げを行う場合、火葬の前後に導師が中心となって題目を唱えます。火葬後の骨上げは、一般的な仏式のお葬式と同様に、ご遺族やご親族の手によりご遺骨を骨壺へ収めるのが一般的です。

納骨は、友人葬の後に行われます。納骨場所は、創価学会が運営する墓地公園(全国15か所)、長期収蔵型納骨堂(全国6か所)、常楽納骨堂(全国16か所)のいずれかを選ぶことが可能です。納骨後にも題目を唱えて供養します。

また友人葬を実施した場合、法事や法要は行われません。その代わりに、故人様の命日や誕生日などに、ご遺族や親しい友人が集まって題目を唱えたり、思い出話をしたりすることが多いです。

創価学会の友人葬に参列する際に注意すべきマナー

参列される場合は服装などの決まりもない為、一般的な喪服で参加される方が多いです。
創価学会の友人葬に参列する際に注意すべきマナーは以下の通りです。

服装のマナー

創価学会の友人葬に参列する際の服装は、喪服や礼服でなくても構いません。ただし、明るすぎる色や柄は避けましょう。数珠は持参しても構いません。創価学会の会員でない場合は、白いハンカチや白いバッジを身につけないよう注意が必要です。

香典のマナー

創価学会友人葬に参列する場合、基本的に香典を持参する必要はありません。ただし、持参する場合には、必ず香典袋に入れて渡しましょう。金額は一般的な葬儀と同じく、3千円から1万円程度が相場です。また、香典袋には「御霊前」や「御仏前」ではなく「御供養」と書くのがマナーです。

焼香時のマナー

創価学会の友人葬の焼香は、お題目を唱えながら行います。お題目がわからない場合は、無言で実施しても構いません。お焼香の回数は、一般的な仏式と同じく2回です。

まとめ

友人葬は、故人様のご家族や親しい友人などが参加して実施される創価学会のお葬式です。基本的な式の流れは一般的なお葬式と大きく異なりませんが、一部違う点もあります。しかし、今回紹介した内容を参考に正しい知識を身につけておけば、安心して参列できるでしょう。

創価学会の友人葬に参列したことがある方は、それほど多くはないと思います。また今回紹介した形式で、すべての式が行われるわけではありません。しかし、どのような形式であったとしても、故人様を悼む気持ちがもっとも大切です。

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