お葬式の受付係を頼まれた!式の流れやマナーを把握して適切に対応しよう
2023.05.01
お葬式への参列は、人生において何度かは経験するものです。しかし、お葬式の受付係を頼まれる機会は、それほど多くはないでしょう。そのため実際に頼まれたとき、自分がすべきことを理解できず、慌ててしまう方もいるかもしれません。
お葬式の受付係は、ご遺族の代わりに参列者をお迎えする大切な役割です。事前に何をすべきかを理解し、適切なマナーで対応したいところでしょう。
ここでは、お葬式の受付係が担うべき役割や受付の流れ、マナーなどをご紹介します。
お葬式の受付係とは
そもそもお葬式の受付係は、どのような役割を担うのでしょうか。ここでは、お葬式の受付係が担う役割と、依頼されることの多い人をご紹介します。
お葬式の受付係が担う役割
お葬式の受付が担うおもな役割は、以下のとおりです。
・参列者のお迎えと対応
お葬式の受付係はご遺族の代理として、参列者に挨拶や礼を述べる役割です。また、参列者の名前や故人様との関係を確認し、会場の案内や進行時間の説明なども行います。
・香典の受け取りと記帳
お葬式の受付係は参列者から香典を預かり、金額や名前を確認し、香典台帳に記入します。また、香典袋を見えるように整理しておくことも大切な仕事です。
・返礼品のお渡し
受付係は参列者に返礼品を渡します。返礼品は遺族からの感謝の気持ちを表すものです。返礼品は参列者が持ち帰りやすいように包装しておきます。
お葬式の受付係は、基本的に参列者へのさまざまな対応を行う重要な役割です。そのため、単なる受付係ではありません。
例えば、受付では参列者に名前を記帳してもらい、香典を預かり返礼品も扱います。金銭も扱うため、特に信頼のおける方へ受付係を依頼するケースが多いです。また葬儀当日、喪主様をはじめとしたご遺族は、参列者への挨拶や焼香の順番など、葬儀会社との最終的な打ち合わせやご親族の応対などで忙しくなります。なにより大切なご家族を失った悲しみの中にいる状況であるため、さまざまな対応に気を配る余裕はないでしょう。
そのため葬儀には、ご遺族に代わってさまざまな役割を担う受付係が必要です。マナーや手順をしっかりと理解し、失礼のない形で参列者をお迎えしなければなりません。金銭や物品の取り扱いも十分注意して行う必要があります。
お葬式の受付係を依頼されることが多い人
お葬式の受付係は、式の進行に欠かせない仕事です。受付係を依頼される人は、以下のような基準で選ばれることが多いでしょう。
- 故人様やご遺族と親しい人
- お葬式の流れやマナーに詳しい人
- 人前で落ち着いて対応できる人
- 受付の時間帯に都合がつく人
また、受付係の依頼先としては、以下のような人が挙げられます。
- 故人様のご親族や友人
- 故人様の勤務先や趣味の仲間
- ご遺族のご親族や友人
- ご遺族の勤務先や趣味の仲間
お葬式の受付係を頼まれる人は、喪主様やご家族から信頼されていることが多いです。
家族葬など小規模の葬儀では、故人様の孫やいとこ、友人、知人などが任されるケースがほとんどでしょう。一般葬のように会葬者を限定しない葬儀では、故人様とのご縁がそれほど強くない人が選ばれる傾向はあるようです。故人様に近い立場の人ほど、近くでお見送りをするべきという配慮もあるのでしょう。
ただし、どうしても受付係を依頼できる人がみつからない場合には、葬儀会社のスタッフが担当するケースもあります。
お葬式の受付係が事前に確認すべきこと
お葬式の受付係を依頼された場合には、事前に以下のような内容について確認しておくことが大切です。
- 葬儀の流れやスケジュール
- 受付の開始・終了時間
- 参列者の案内方法
- 香典・返礼品の扱い方
- 受付に必要な道具
- 葬儀会場の施設
お葬式の受付係は、参列者から質問を受けることも多くあります。そのため、喪主様や葬儀会社のスタッフなどから、式の流れやスケジュール、受付の開始時間や終了時間、参列者の案内方法などについて事前に確認しておきましょう。また、香典を連名でいただいた場合の返礼品の扱いなどについても、併せて確認しておく必要があります。
また、受付に必要な道具の確認も忘れてはいけません。筆記用具(ボールペン、サインペン、筆ペンなど)や芳名帳(芳名カード)、香典受け(名刺を預かった際の扱い方)、会葬品、もしくは会葬品引換券、メモ帳などが必要です。通常は、葬儀会社で一通り揃えてもらえますが、筆記用具はそれぞれ数本ずつ用意してうえで、すべて書けるかどうかをチェックしておくと安心でしょう。
トイレの場所や喫煙所、飲み物の自販機の位置などについても、受付係の担当者同士で情報共有をしておきましょう。タクシーの利用や周辺の駐車場を聞かれることもあるため、葬儀会場周辺の情報を把握しておくことも大切です。お葬式が開始する1時間前には到着し、トイレの場所や親族待合室などへ実際に足を運び、自分で確認しておくことが望ましいでしょう。
受付係は、お葬式が行われている最中も参列者の対応が必要なため、受付から離れられません。お焼香は弔問客のタイミングをみて、葬儀会社のスタッフから案内があるため、そのタイミングで行います。
なお通常、受付係は2名で対応することが多いため、あらかじめ役割分担を決めておくとスムーズに参列者を受け入れやすくなるでしょう。
お葬式における受付の流れとマナー
受付係の役割を全うするためには、受付で行うべき仕事の流れを把握しておくことが必要です。ここでは、お葬式における受付の流れとマナーをご紹介します。
1. 受付の開始
受付係は、参列者にお葬式の案内や会場の案内をします。受付係は参列者と最初に対面するご遺族側の代表です。丁寧な挨拶を心がけ、穏やかな落ち着いたトーンで話すことを意識しましょう。受付係は「遺族側の立場」に立つため、受け答えも「来ていただく側」の心構えが必要です。
参列者に対して「本日はお越しくださりありがとうございます」と一礼します。寒い時期の場合は「お寒い中」雨や雪の日の場合は「お足元の悪い中」など、一言添えるとより丁寧な印象を与えられるでしょう。
参列者がご遺族の場合には「お悔やみ申し上げます」「この度はご愁傷様です」などお悔やみの言葉を述べます。ただし遺族ではないため、香典を受け取るときは「お預かりします」と伝えましょう。
また、うっかり忘れがちなのが携帯電話のマナーです。お葬式の途中で着信音が鳴らないよう、あらかじめ電源を切るかマナーモードにしましょう。
2. 香典を受け取る
受付係は、参列者から香典袋を受け取って金額や名前を確認し、香典台帳に記入してもらいます。香典袋は丁寧に扱い、折ったり曲げたりしないように注意しましょう。
香典を受け取る際は「お預かりいたします」と一言添えて、両手で受け取りゆっくりと一礼します。一人ひとりの弔問者に対して、丁寧な対応を心がけることが大切です。
なお近年は、香典を望まないご遺族も増えています。その場合には、事前に香典を辞退する旨が知らされることが一般的です。式場によっては、受付に「香典は辞退申し上げます」といった文言を張り出している場合もあります。
参列者が香典を持参した場合、決して受け取ってはいけません。そして「申し訳ございません。ご遺族(あるいは故人様)の意志により、香典は辞退申し上げております」と丁寧に説明します。
3. 記帳を依頼する
芳名帳(芳名カード)への記帳をお願いする際には「恐れ入ります、こちらにお名前とご住所をご記帳いただけますでしょうか」と言い添えます。芳名帳を使用する場合には、ボールペンや筆ペンなど、種類の違う筆記用具の準備が必要です。
なお、芳名帳は綴じられていて本のように作られていますが、芳名カードは1人に1枚ずつのカードになっています。参列者から芳名カードを受け取る際には、内容に漏れがないか確認しましょう。ごく親しい人の場合でも、名前だけでなく住所まできちんと記入されているかを確認します。
芳名カードの場合、記入方法に手間取る弔問客の方もいらっしゃるかもしれません。「あちらでご記入ください」と伝えるではなく、「恐れ入りますが、あちらに芳名カードをお持ちいただき、お名前とご住所をご記入いただけますでしょうか」と丁寧に説明し、必要であれば記入場所までご案内しましょう。また、参列者が迷っているときは、さりげなく案内します。
4. 会葬品・会葬品引換券を渡す
芳名帳に記帳していただいて後「こちらお礼の品でございます」と控えめに伝え、会葬品や会葬引換券を参列者に渡します。
なお、会葬品は香典返しとは違うものです。参列者全員に同じ品物を用意しています。
お帰りの際に会葬品を渡す場合は引換券を渡し、「こちら会葬品の引換券となりますので、お帰の際にお品物と交換いたします」と伝えて渡しましょう。香典の名前が連名の場合は、会式前、喪主様に確認した内容の返礼品の扱いで会葬品、もしくは会葬品引換券を渡すことが一般的です。
5. 会場への案内
返礼品を渡し終えたら「会場入り口はあちらです」と伝え、参列者を葬儀会場へ案内します。高齢者や手助けの必要な人もいるため、その都度様子を見ながら付き添うのも、受付係の大事な枠割です。
クロークがある場合は、荷物やコートなどを預かり、預かり札を渡します。
6. 香典を会計係に渡す
一般葬では受付係のほかに香典を管理する会計係もいますが、家族葬や小規模な葬儀では、受付係が会計係も兼任することが一般的です。香典を確認したうえで、袋と中身を別々に管理する場合は、ご遺族から現金を入れるための箱や袋をあらかじめ用意してもらいましょう。
葬儀後の会計係の役割は、以下のとおりです。
- 香典袋のお名前、住所、金額を会計簿に記録する
- 会計簿の金額と実際の金額を照合する
- 現金、会計簿、香典袋をまとめて喪主様に渡す
会計は現金で行う場合と、後日振り込む場合があります。どちらの場合も、金額の過不足がないように注意しましょう。金額の管理は葬儀会社のスタッフに任せる場合もありますが、自分で確認することも大切です。
7. ご遺族へ報告
受付の仕事が終わったら、ご遺族に報告します。受付でのできごとや、感想などを伝えましょう。最後にご遺族へ「ご苦労様でした」と伝えます。
お葬式の受付をする人の服装
お葬式の受付をする人の服装は、黒や紺などの地味な色で、露出の少ないものを選びましょう。アクセサリーや化粧も控えめにするのがマナーです。
受付を任された場合、故人様とのご縁が薄くても、喪主様に代わり弔問客の対応をするため、身だしなみを整え、お葬式にふさわしい服装を心がける必要があります。
お葬式の受付をする人の服装のマナーは、男性と女性で若干異なるため、それぞれについて確認しておきましょう。
●男性
・上下黒のブラックスーツでワイシャツは白、黒ネクタイ
・靴や靴下は黒
・慎みのある髪型にする
●女性
・黒のワンピースあるいは黒のスーツで、露出が多いものは避ける
・ストッキングは黒で、靴やバッグも黒にする
・動き回ることが多いためハイヒールは避け、低いものがよい
・化粧は控えめ(ノーメイクである必要はないが、派手な化粧は避けるべき)
・髪型も含め、慎みをもったものにする
アクセサリーやバッグ、靴などの光るもの、光沢のあるものは控えます。また、香水や香りの強いヘアケア用品も、できる限り使わないようにしましょう。
意外に気になるのが、柔軟剤やクローゼットの芳香剤の香りです。多くの参列者が集まる葬儀会場では、不快に感じる人もいるかもしれません。また、不謹慎と思われる可能性もあるため避けるべきです。
参列者やご遺族、そして誰よりも故人様に敬意を払う意味でも、男女ともに服装や身だしなみには気を遣いましょう。
まとめ
お葬式の会場に到着した参列者が最初に行う行為が「受付」です。受付の前に立ち、緊張のあまり頭が真っ白になってしまわないように、事前に準備しておきましょう。
スムーズに行うため、受付係を任され際には、お葬式の流れやスケジュールを把握しておくことが大切です。お葬式にかんする質問を受けることも多くあるため、疑問点や質問などあれば、式が始まる前に葬儀会社のスタッフに聞きクリアにしておきましょう。
お葬式の当日は、忙しいご遺族に代わって葬儀会社のスタッフと連携を取るのも受付係の大切な役割です。お葬式は厳粛な雰囲気の中で行われます。故人様にお別れを伝える最期のセレモニーです。しっかり準備を進めましょう。
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