棺桶の予備知識を紹介!種類や値段、サイズとは?

2022.04.06

葬儀を行う場合には、故人様のご遺体を納めるための棺桶が必要です。葬儀のタイミングは突然やってくることが多いので、事前に入手方法や値段について知っておくと安心でしょう。

しかしながら、普通に生活をしている方が、棺桶の詳しい情報を知る機会はそれほどありません。そこで今回は、いざというときに備えるために、棺桶の予備知識として種類や値段、サイズなどについて詳しく解説します。

葬儀に必要な棺桶

棺桶とはどのようなものなのか、まず知見を深めておきましょう。また、混同されやすい棺や柩との違いについても解説します。

そもそも棺桶とは

棺桶(かんおけ)とは、故人様のご遺体を納める箱や容れ物のことです。

現在、わが国では90%以上の葬儀が火葬によって執り行われています。火葬をするためには、ご遺体を棺桶に納めることが法律によって定められており、棺桶に納めていないご遺体は火葬場で受け付けてもらえません。

したがって、葬儀を執り行う場合には、棺桶の準備が必須といえるでしょう。

棺桶と棺と柩の違い

棺桶と棺(ひつぎ)と柩(ひつぎ)の区別がつかないという方は多いと思います。

結論から言うと、棺桶と棺は同じものです。大昔の日本には、桶状の棺にご遺体を入れていた時代があったことから、棺桶という言葉が使われています。ちなみに、棺には霊魂を継ぐという意味合いがあり、「霊継ぎ(ひつぎ)」と呼ばれるようになったそうです。(諸説あります)

一方、柩とは故人様のご遺体を納めた棺のことです。つまり、空の棺桶が棺で、ご遺体を納めた棺桶が柩だといえます。

棺桶を選ぶ4つのポイント

棺桶を選ぶときには、大きさと素材(種類)、形、値段を考慮して決めるとよいでしょう。これら4つのポイントについて、それぞれ解説します。

ポイント1.棺桶の大きさ

棺桶を選ぶときには、まず大きさを決めましょう。棺桶の大きさは「尺」という単位が用いられます。1尺は30cm程度で、一般的な6尺の棺桶は180cm程度です。

ただし、棺桶の大きさを選ぶ際には、故人様の身長よりも10cm~15cm程度大きいサイズのものを選択しなくてはいけません。人間は死後硬直後、つま先が伸びて背伸びのような状態になり、10cm程度長くなるからです。

ポイント2.棺桶の素材と種類

棺桶の大きさが決まったら、次は素材を選びます。

おもな棺桶の素材は木と布、アクリル、段ボールの4種類です。また、それぞれの素材によって、棺桶の種類が異なります。

素材によって異なる棺桶の種類は、以下の4つです。

木棺

木で作られた棺桶が木棺です。

木棺の素材はヒノキやモミ、スギ、桐といった高級な天然素材をはじめ、ベニヤなどを加工した合板の安価なものまで、さまざまな種類があります。

20~30年ほど前までは、棺桶といえば木棺が主流で、彫刻や金具による装飾が施されたものが多かったです。現在でも、葬儀会社の多くの基本プランには、合板の上に薄い桐素材を貼りつけた木棺がよく用いられます。

布張棺

合板の棺に布を貼りつけた棺桶は、布張棺と呼ばれています。

棺の周囲に布が貼られているため、色や素材によって雰囲気を変えられる点が布張棺の特徴です。また、布に模様や柄などを印刷もできます。よって、故人様が好きだった色や素材で装飾することが可能です。

エンバー棺

エンバー棺とは、エンバーミング処置を施したご遺体を納めるための棺桶です。エンバー棺の素材には、アクリル板が用いられます。

故人様のご遺体を長期間保存しなくてはいけない場合には、殺菌消毒や防腐処置を施すエンバーミング処置をしなければいけません。昨今は、火葬場が混雑することや、ご遺族が忙しく葬儀の日程が遅くなるケースも増えています。そのため、ご遺体にエンバーミング処理を施すことは珍しくありません。

なお、エンバー棺の蓋には透明なアクリル板が用いられることが多く、故人様と対面しやすくなっている点が特徴です。また、開口部も比較的大きめの傾向があります。

エコ棺

エコ棺とは、段ボールや再生紙を使って作られる棺桶です。再生紙を用いることや、燃焼時に排出する二酸化炭素を抑えられるなど、環境面に配慮している点がエコ棺と呼ばれる所以でしょう。

また、エコ棺は木棺と同じ程度の強度があり、布張棺のような装飾が可能な点がメリットです。さらに、棺桶の形をアール型にするといったデザインも可能なため、近年利用者が増えています。

ポイント3.棺桶の形

棺桶にはさまざまな形があるので、選ぶときのポイントだといえるでしょう。おもな棺桶の形を6つ紹介します。

1.箱型

もっとも一般的な棺桶の形が箱型です。箱のような形で、蓋も平面になっている点が特徴で「キャスケット型」とも呼ばれています。

2.山型

蓋が台形になっている棺桶が、山形といわれるものです。山形はアレンジがしやすい点がメリットで、箱型に次いで選ばれることが多い棺桶といえます。

3.かまぼこ型

蓋がまるでかまぼこのように丸くなっている棺桶が、かまぼこ型と呼ばれるものです。箱型や山形に比べて角が抑えられるため、柔らかい印象を与えられます。

4.船型

頭部が広く足元が狭い形の棺桶は、船型(コフィン型)と呼ばれています。日本ではあまり馴染みはありませんが、欧米などではよく用いられる棺桶の形です。

5.インロー型

棺桶全体を覆うような大きな蓋が印象的な棺桶がインロー型です。インローとは水戸黄門でお馴染みの印籠のことで、その形に近いことからこの名前がついたのでしょう。

6.組み立て型

形とは少し意味合いが異なりますが、組み立て型の棺桶もあります。利用時以外は折りたためるため、収納や持ち運びに便利な点がメリットです。

ポイント4.棺桶の値段

棺桶の種類ごとの値段は、以下が相場といわれています。

・木棺:4万円~100万円以上
・布張り棺:2万円~30万円
・エンバー棺:10万円~30万円
・エコ棺:5万円~20万円

ご覧の通り、値段にかなりの幅があることが、棺桶の値段の特徴といえるでしょう。棺桶の値段の幅が広い理由は、大きさや種類、素材、形によって、値段が変動するためです。装飾を豪華にすれば、それだけ値段も高くなっていきます。逆に安価な素材でシンプルな棺桶であれば、値段を安く抑えることが可能です。

よって、故人様やご家族、ご遺族の意向と、コストのバランスを考えて適切なものを選ぶようにしましょう。なお、葬儀会社の基本プランはシンプルな棺桶のケースがほとんどですが、追加費用を支払うことでカスタマイズできることがあるので、事前に確認しておくと安心です。

棺桶を準備する方法

万が一のときには、棺桶を準備しなくてはいけません。棺桶をいつ、どのように入手するのかについて解説します。

棺桶を準備するタイミング

棺桶を準備するタイミングは、お通夜や葬儀に間に合うタイミングであればいつでも問題ありません。実際には、故人様のご遺体を安置した後、葬儀会社と葬儀の打合せをする際、購入することが一般的です。

もちろん、それより以前に入手することもできます。いざというときに慌てたくない方は、葬儀会社などに相談して、事前に準備しておいてもよいでしょう。

葬儀会社に手配することが一般的

棺桶を入手する場合は、葬儀会社に手配してもらい購入することが一般的です。

葬儀の打ち合わせをする際、棺桶のカタログを渡されますので、その中から決めていきます。葬儀のプランにパッケージングされている場合がほとんどなので、選択可能なものの中から好きなものを選びましょう。

もし、別の棺桶やカスタマイズを希望する場合は、葬儀会社に相談することで対応してもらえる場合があります。ただし、追加費用が必要になる点に注意が必要です。

なお、購入した棺桶は納棺の際、葬儀会場へ運ばれます。つまり、ご家族やご遺族が棺桶の現物を確認できるのも納棺時ということです。

インターネットのサイトでも購入可能

棺桶はさまざまな業者が販売しているので、インターネットで購入することも可能です。そのため、必ずしも葬儀会社から購入する必要はありません。

また、業者によっては非常に安価に販売していることもあるので、購入金額を抑えられる点がメリットです。一方、自分で探して手配しなくてはいけないため手間がかかることと、注文してからすぐに届くわけではないので、必要なタイミングに入手できない可能性がある点はデメリットだといえるでしょう。

そのため、実際にはほとんどの方が、葬儀会社から棺桶を購入しているのが現状です。

棺桶の中に入れられるもの

棺桶の中には故人様のご遺体とともに、副葬品と呼ばれる品物を入れることが一般的です。ただし、入れてはいけないものもあるので、それぞれについて解説します。

副葬品

副葬品は故人様のご遺体と一緒に、棺桶の中へ納められる品物のことです。故人様にゆかりのあったものや、ご家族が故人様に供えたいものなどを納めます。

副葬品として納められる品物の事例は、以下の通りです。

・故人様の好きだった食べ物や飲み物
└ただし、缶や瓶は不燃物なので、飲みものは紙コップやパックへ移す必要がある
・故人様の衣服
└金具がついている場合は、燃えないため取り除く必要がある
・写真や手紙
・花

なお、副葬品については以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

関連記事:副葬品とは?棺に入れるもの、入れてはいけないもの

棺桶に入れてはいけないもの

副葬品として棺桶の中に入れてはいけないものは、不燃物や燃やすと爆発するもの、有害な物質を発するものなどです。これらの品物は火葬場によって、副葬品として棺桶の中に納めることが禁止されています。

例えば、衣服のファスナーやピン、スプレー缶やスマートフォン、電池をはじめ、ガラスやプラスチック製品などは、概ね副葬品として認められないでしょう。

一方、燃え残ったり、ご遺体が不完全燃焼の状態になったりする可能性があるため、大きすぎる品物も副葬品には不適切です。

まとめ

葬儀を執り行うためには、棺桶の準備が必須です。

棺桶は葬儀会社に依頼することで、入手できます。ただし、大きさや素材、形、値段などのポイントを考慮して、適切なものを選択しなくてはいけません。

また、故人様の好きなデザインにしたり、副葬品として故人様とゆかりのあった品物を納めたりすることも可能です。

今回紹介した内容を把握しておけば、万が一のときにも慌てずに棺桶を選べるでしょう。なお、横浜市や川崎市など、神奈川県でお通夜や葬儀を執り行う場合には、実績豊富な弊社、お葬式の杉浦本店にご相談ください。創業130年の信頼と安心が自慢です。横浜市、川崎市で火葬式における多数の実績はもちろん、さまざまなプランもご用意しております。

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