多くの方が参列する大型葬(大規模葬)とは?種類やメリット・デメリットなどを紹介

2022.11.30

お葬式を執り行う場合には、年齢や家族構成、地域、お仕事など、さまざまな状況に合わせ、どのように葬儀の準備をしたらよいのかと悩むことも多いでしょう。特に家族葬や火葬式ではない、会社の同僚や友人など多くの方に見送っていただく大型葬(大規模葬)を実施する際には、通常の葬儀に比べて検討事項が多くなります。

そのため、事前に大型葬についての十分な知識を持っておくことが大切です。そこで今回は、大型葬の概要や流れ、メリット・デメリット、注意点などについて解説します。

大型葬(大規模葬)とは

大型葬(大規葬)とは、一般的に100~200名以上の方が参列する大規模なお葬式をさします。仕事や趣味、その他の活動(ボランティア活動、クラブ活動など)における、故人様の交友関係が広い場合に、多くの参列者を迎えて行う葬儀のことです。

大型葬は参列者が増えるため、会場や祭壇が大型化します。そのため、大型葬を実施できる会場は限られますので、早めに準備に取り掛かることが必要です。

大型葬を行う方の割合

出典:ENDING DATABANK/葬儀スタイル(規模)の割合

ENDING DATABANKが調査したデータによると、2017年における大型葬の実施割合は3.2%だそうです。近年、大型葬を執り行うケースは、かなり少なくなってきていることがわかります。

出典:ENDING DATABANK/葬儀スタイル(規模)の割合

また、2010年~2017年における大型葬の推移に着目してみても、やはり毎年減少傾向といえるでしょう。

社葬も大型葬儀の一種

大型葬の一種に社葬と呼ばれる葬儀があります。社葬とは、会社が主催で執り行う葬儀です。会社に貢献した方を、会社が主体となってお見送りします。会葬者が多く、大規模な葬儀になることが一般的です。

社葬は会社の社長・会長や経営者、会社に貢献した役員・社員が亡くなった場合や、業務中の事故が原因で職員が亡くなった場合によく執り行われます。なお、会社ではない団体が主体となる場合は「団体葬」と呼ぶため注意が必要です。また、会社とご遺族が合同で執り行う「合同葬」と呼ばれる葬儀もあります。

社葬の葬儀内容について

社葬は、ご遺族が執り行う家族葬など、通常の葬儀とは異なった意味合いや目的を持つことが特徴です。ここでは、社葬の葬儀内容についてご紹介します。

・故人様の生前の功績を偲ぶ

社葬では、故人様を哀悼し、生前の功績を偲ぶことが特徴です。社葬は大企業の創業者やオーナー、経営者が亡くなったときに行われることが一般的でした。しかし最近では、中小企業が実施するケースも増えています。

・会社の未来像を示す

故人様を見送った後、企業としての方向性を社外へ広く認知してもらうことも、社葬の目的です。会社のステータスをアピールし、社内全体の士気を高める意味を持ちます。

なお、社葬については以下の記事でも詳しく解説しているのであわせてご確認ください。

関連記事:社葬とはどのような葬儀なのか?種類や流れ、マナーについて解説

大型葬(大規模葬)のメリット・デメリット

大型葬は通常の葬儀と異なる部分も多いため、どのようなメリット・デメリットがあるのか把握したうえで実施の可否を検討するべきです。ここでは、大型葬のおもなメリット・デメリットについて解説します。

大型葬(大規模葬)のメリット

大型葬のメリットは、おもに以下の3点です。

・多くの参列者が故人様を偲ぶことができる
・ご遺族の負担を軽減できる
・節税効果が期待できる

大型葬では、多くの方が思い出話をしながら、在りし日の故人様を偲ぶことができます。他の参列者を知ることによって、故人様の交友関係も垣間見え、どのように生きてきたのかを感じられるでしょう。

また、大型葬では故人様がお世話になった方々に直接お会いできるため、ご遺族が葬儀の後、個別に謝辞を述べる必要もありません。そのため、ご遺族の肉体的な負担を軽減できる点がメリットです。

葬儀費用の中には、相続財産から控除対象になるものがあります。大型葬は参列者が多いため、葬儀会場の使用料や飲食接待費、祭壇料などの金額が高額になることが一般的です。しかし、相続財産から控除できる葬儀費用も大きくなるため、節税効果が期待できるでしょう。

大型葬(大規模葬)のデメリット

大型葬を実施するデメリットとしては、以下の2点が考えられます。

・ご遺族の精神的ダメージが増える
・参列者の正確な数を把握できない

大型葬は家族葬とは違い配慮することが増え、多くの会葬者に対応しなくてはいけないため、ご遺族の精神的な負担が増える点はデメリットだといえるでしょう。

また故人様の知人や友人、会社関係など、多数の方が参列をするため、人数の予測が大きく異なる場合、料理の数が合わない、返礼品が足りないといったトラブルが発生する可能性もあります。事前に年賀状や携帯電話の連絡先などを確認し、大体の人数を把握しておきましょう。また、料理や返礼品がなくなってしまうこともよくないので、少し余る程度の量で、多めに用意しておくのがおすすめです。

大型葬(大規模葬)の準備

大型葬の準備をする際に、押さえておくべきポイントを解説します。できるだけ早めに準備にとりかかり、余裕をもっておくことが大切です。

葬儀会場の決定

大型葬は100~200名以上と、多くの参列者を収容できる規模の会場を準備する必要があるため、実施できるところが限られます。収容人数を予測して、適切な大きさの会場を確保することが大切です。また、駐車場の有無にも配慮しなくてはいけません。

都心部などの場合、会場確保が難しい場合もあるため、スケジュールには余裕をもつようにしましょう。

葬儀会場を選ぶポイントについては、以下記事の内容も参考にしてみてください。

関連記事:葬儀会場や斎場を選ぶポイントとは?会場ごとの特徴なども紹介

葬儀会社の決定

葬儀会社を選ぶ際には、大型葬の実施実績があるところを選ぶのがポイントです。通常の葬儀とは違う部分も多いため、過去に大型葬を実施したことがある葬儀会社であれば、安心して依頼できます。

またその際には、事前に葬儀の企画書などを作成してもらい、どのような内容で進めるのかについて事前に確認させてもらいましょう。

参列予定者への連絡

訃報の連絡については、友人や会社関係、クラブ活動などの代表者に連絡をすることが一般的です。人数が多いため、連絡が行き届くまでに時間がかかることも想定されます。そのため葬儀の実施日は、ある程度の日程を空けて設定するのが好ましいでしょう。

例えば横浜市の場合には、5日~1週間程度の期間、葬儀までお待ちいただきます。参列者への配慮につながるだけでなく、受付・会計など、手伝い係の依頼も必要です。連絡先リストの作成など、連絡に漏れが出ないよう注意しなくてはいけません。会社関係の参列者が多い場合は、遅めの開式時間にするといった配慮も必要でしょう。

大型葬(大規模葬)のリハーサル

大型葬は、通常の葬儀と流れが違うため、スタッフの役割なども踏まえてリハーサルを実施しておくと安心です。葬儀会社のスタッフと相談して、当日の流れについて事前に把握することで、当日の進行をスムーズに行いやすくなるでしょう。

返礼品・お食事

参列者に返礼品やお食事を振る舞えないという事態を避けるため、どちらも多めに見積もっておく必要があります。多くの方が参列するため、おおまかな参列者の数を早めに確定することが望ましいです。

特にお食事は人数の把握が難しいため、オードブルなど人数の調整が利くもののほうがよいでしょう。「残ってもよいので、皆さんに十分食べてから帰ってほしい」と伺うことが多いため、専門の料理屋さんと相談して分量を決めるのがおすすめです。

大型葬(大規模葬)の流れ

大型葬の流れを把握しておくことで、当日の進行がスムーズに行いやすくなります。どのような流れで進行するのか確認しておきましょう。

湯灌

湯灌(ゆかん)とは、介護用のバスタブのようなものを使用して、故人様の身体をきれいにする儀式です。その後、故人様を白装束に着替えさせ、旅支度を整えた後、棺にご遺体を納めます。

湯灌は、略式の方法で行われる場合も多いです。この場合、タオルや脱脂綿を使って、故人様の身体をきれいに拭き取ります。その後の対応は、同じです。

湯灌については、以下の記事でも詳しく解説しているのであわせてご確認ください。

関連記事:湯灌の目的とは?歴史や費用などについても紹介

お通夜

大型葬でも、お通夜が行われる場合はあります。僧侶にお経を読んでもらい、その間に「ご遺族→ご親族→一般参列者」の順番で焼香を実施することが一般的です。

一般の参列者は、ご焼香の後、通夜振舞いの席へ進みます。お通夜が終わり僧侶の退堂後、一般参列者はご拝顔の時間になるので、ご遺族はこのタイミングで挨拶することが多いです。一般参列者が帰った後、ご親族の皆様でお食事という流れになります。

お通夜についての詳しい内容は、以下の記事をご確認ください。

関連記事:お通夜の流れとは?意味や葬式・告別式との違いも解説

葬儀・告別式

大型葬の葬儀・告別式もお通夜と同様、僧侶にお経を読んでもらい「ご遺族→ご親族→一般参列者」の順番で焼香を行います。ただし、式中の初七日法要がある場合は。ご遺族とご親族のみ、もう一度焼香を行うことが必要です。

その後、僧侶による読経が終わり退堂します。僧侶の退堂後、故人様と最後のお別れです。

祭壇、供花のお花を手向け、故人様に声をかけていただきながら、お別れの時間を過ごしまます。火葬場ではお別れができない場合もあるので、この場が最後の時間になることが多いことを覚えておきましょう。

その後、棺の蓋を閉じ、ご遺族代表の方がご挨拶を行います。

葬儀については、以下の記事の内容を参考にしてみてください。

関連記事:葬儀の歴史を知りたい!現在はどんな種類があるのか?

関連記事:お葬式とは?実施する理由や種類、海外のお葬式も紹介

出棺

棺を霊柩車に乗せ、葬儀会場から火葬場へ移動します。このとき「霊柩車→送料の車→ご遺族、親族の車」という順番で、火葬場へ向かうのがマナーです。

ご遺族やご親族の車が多いと、到着時間のずれや事故、道を間違えてしまうといったトラブルが発生する可能性もあります。このような場合、ご遺族やご親族はバスで移動するのがおすすめです。

火葬・収骨

火葬場に到着後、故人様を火葬までお見送りします。待っている間に、精進落としのお食事をとることが一般的です。(火葬場、宗派によっては、行わない場合もあります)

お食事の時間は、1時間程度です。その後、収骨室にて収骨を行います。

収骨のマナーについては、以下の記事で詳しく解説しているのでご確認ください。

関連記事:火葬時のお骨上げのマナーとは?地域によって異なる場合も

大型葬(大規模葬)を実施するときの注意点

大型葬では事前に留意しておくべき点があります。代表的な大型葬の注意点を紹介するので、ここで確認しておきましょう。

席の座り方について

大型葬の場合、会社関係の方には席札を用意し、VIP席を用意することがあります。ここに座る方は、代表焼香や弔辞を述べていただくことが多いです。

供花の順番について

祭壇の両隣に並ぶ供花の順番は、名前に間違いがないかどうかの確認が必須です。特に会社関係の供花はミスが許されないので、入念に確認しておきましょう。

お手伝いの人数について

大型葬を運用する際には、会社や友人関係の方がお手伝いしてくれることが多いです。内容としては、受付や会計、返礼品お渡し、駐車場の案内、駅から式場までの道案内、まとめ役などが挙げられます。

ただし、お手伝いの人数が多すぎると、会場内の動線を邪魔することもあるため、大体の参列者数の把握ができてから決めたほうがよいでしょう。

弔辞について

弔辞をお読みいただく方には、事前に声がけしておくことがおすすめです。式の時間は決まっているため、どのタイミングで読んでもらうのか事前に調整しておきましょう。

テント、記帳台の用意

200名程度の参列者が来訪する場合には、全員が式場に入れないケースも多いです。そのため、事前に式場の外にテントを準備して、記帳台や備品の準備をしましょう。具体的には、眼鏡や記帳カード、ペン、消毒などの準備が必要です。

大型葬(大規模葬)の費用相場

大型葬の費用相場は、250万円程度~といわれています。地域によって異なるため、事前に葬儀会社へ確認しておきましょう。

大型葬では参列者が多くなるため、大きな駐車場完備の式場を使用したり、祭壇を大きくしたりしなくてはいけません。また、飲食の数も多くなるため、費用は高くなる傾向にあります。ただし、参列者が多く香典の金額も大きくなるので、ご遺族の負担を軽減できるでしょう。

まとめ

今回は、大型葬(大規模葬)や社葬など、参列者が多い葬儀について解説しました。

葬儀は大きさではなく、故人様を偲ぶ方法としてどのような形がベストなのかを考えることが大切です。大きな葬儀をしても、バタバタと終わってしまっては、悔いが残るものになってしまうでしょう。

どのような葬儀においても、残されたご遺族の気持ちを葬儀会社へ伝えていただき、少しでも安心できて「よかった」と思える葬儀にすることが重要です。

横浜市や川崎市で大型葬を行う際には、実績豊富なお葬式の杉浦本店にご相談ください。横浜市、川崎市における多くの葬儀実績があるので、故人様やご家族、ご親族の気持ちに寄り添った葬儀プランをご提案いたします。

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