ご遺体の搬送は遠隔地や海外からでも可能?!長距離搬送の方法や料金などを紹介

2022.08.15

大切なご家族様がお亡くなりになられた場所は、必ずしもご本人または、ご遺族が希望される場所とは限りません。費用面や環境などについてご家族で話し合った結果、ご自宅や病院、施設などさまざまな場所で最期を迎えられます。

今回は大切なご家族が逝去され、ご自宅や葬儀会社の霊安施設でお休みになるまでの一般的な流れや費用、ご遺体の長距離搬送費用などについて解説します。

一般的なご遺体搬送の流れ

人が亡くなった際、最初に行なわなければいけないのが、死亡診断書の発行です。葬儀を行うためには火葬許可書の発行が必要なのですが、その際、故人様への社会的な処理として医師による死亡診断書の発行が必要となります。

死亡診断書を発行した後は、ご家族のお別れを経て、ご遺体の処置(エンゼルケア)を行い葬儀会社のお迎えを待つことが一般的です。葬儀会社が迎えに来たときには、葬儀の費用や搬送距離などについて詳細に質問できます。

病院や施設から故人様を引き取る場合、一般的には1~2時間程度で対応するケースが多く、そのほかの施設からも短時間での対応を求められるケースが少なくありません。ご遺族も短時間でお迎えするものと思っていることが多く、費用について深く考えずに葬儀会社へお願いするケースが多いです。そのため、見積り金額に驚かれる方も多くいらっしゃいます。

葬儀会社が到着し故人様の出発の準備が整ったら、死亡診断書を葬儀社に渡して同乗、または現地にてお見送りをします。その際の搬送費用については、現地からお迎え先までと、お迎え先から安置先までの距離を合計した費用を請求されることが一般的です。

ご遺体を搬送する車

お迎えに来る車は寝台車と呼ばれています。霊柩車と混同されることが多いですが、霊柩車は葬儀会場から火葬場まで故人様を移送する車で、寝台車は病院や施設にお迎えにあがる車ということで、それぞれ違うものです。

近年は、近親者だけの家族葬が一般的となっているため、周りの目を気にしないよう目立たない寝台車で葬儀場から火葬場までご搬送するケースが多くなりました。人がお亡くなりになると、法律上はモノとして扱わなければならなくなるため、一般貨物自動車運輸事業の免許が必要となります。一般貨物自動車運輸事業社の目印として。寝台車のナンバーは緑ナンバーを付けることが法律によって定められています。

霊柩車の運賃・料金

霊柩車の運賃や料金は、各葬儀会社が法律に基づいて国土交通大臣に届け出を行い、その内容が適正であると認められたものが適用されています。

・運賃・料金は、利用する霊柩車の種類や走行距離によって金額が異なる
・有料道路料金やフェリー料金は、利用者が実費を負担する

一般的には10kmの距離に対して15,000円~20,000円程度の料金が発生することが一般的です。10kmを超える場合は、10km毎に追加請求されます。(個社ごとに費用が異なります)

参考:一般社団法人霊柩自動車協会/利用者の皆様へ

県外からご遺体を搬送する流れ

故人様が県外や海外でお亡くなりになった場合、ご遺体をご自宅や葬儀会場などへ搬送しなくてはいけません。それぞれのケースについて、ご遺体を搬送する大まかな流れを解説します。

長距離搬送1.県外からご遺体を搬送する流れ

県外からご遺体を搬送する場合、まず現地へご家族が赴かなくてはいけません。その後、以下の流れでご遺体を搬送する手続きを進めます。

死亡診断書の手配

故人様の葬儀を執り行うためには、死亡診断書を病院の医師から入手しなくてはいけません。故人様が搬送された病院に赴き、医師の説明を受けた後、死亡診断書を発行してもらいましょう。

一方、事故で亡くなった場合には、警察の検視後に死体検案書を入手します。死体検案書は死亡診断書と同じ効力を持つ書類です。

葬儀会社に依頼

死亡診断書、または死体検案書を入手したら、すぐに葬儀会社へ連絡してご遺体の搬送を依頼しましょう。このとき、搬送先の場所を尋ねられるので、どこにご遺体を安置するのか事前に決めておく必要があります。また、搬送距離や、輸送手段(車、飛行機、船)、費用などについても確認しておくことが必須です。

ご遺体の搬送後に清算

指定した輸送手段で、ご遺体を搬送します。車の場合は高速や有料道路などを利用して速やかに搬送することが一般的です。このときご家族が同席することもでき、現地に着いたら料金を精算します。

長距離搬送2.海外からご遺体を搬送する流れ

海外で亡くなられた場合、ご遺体を搬送するためには国内よりも多くの手続きが必要になります。

在外公館との調整

海外で日本人が亡くなった場合は、死因の如何にかかわらず外務省を通じて、ご家族に連絡が入ります。ただし、あくまでも外務省は取次役に過ぎないため、現地の警察などと直接コミュニケーションをとるのは在外公館(大使館など)です。

海外で死亡した場合は、現地の法律に則って手続きが行われます。そのため、日本人では詳細がわからないケースがほとんどなので、在外公館のサポートが必要です。

現地へ赴く

故人様の身元の確認を行うため現地へ赴きます。パスポートがない場合は、緊急措置として対応してもらえるようです。もし、現地へ行けない場合は、外務省へ委任状を送付し、代理人に手続きをお願いしなくてはいけません。

また、ご遺体を搬送するためには、故人様のパスポートや死亡診断書が必要です。また、感染症証明書やエンバーミング処理の証明書などが必要になる場合もあるでしょう。なお、渡航費は自費です。

ご遺体を搬送

身元確認などが終わったら、ご遺体を納棺し最寄りの空港まで搬送します。その後、飛行機で日本に移動し、空港から安置する場所へご遺体を搬送する流れです。なお、搬送中のご遺体は物として扱われるため、ご遺族が側にいることはできません。

ご遺体の搬送にかかる費用相場

ご遺体の搬送にかかる費用は、距離や移動手段によって異なります。有事の際に備え、それぞれについて確認しておきましょう。

一般的なご遺体の費用相場

仮に横浜から熱海までご遺体を搬送するときの費用相場は、以下の通りです。

・横浜(車庫)→熱海   :片道27km
・熱海→横浜(安置所)  :片道27km
・横浜(安置所)→火葬場 :片道10km

搬送距離64kmの場合、10km以内の搬送は15,000円で、10kmを超える搬送が5,000円/10kmとなるので、「15,000+5,000×6=45,000円」ということで合計45,000円(税別)のご請求となります。

上記のように、各社搬送距離や費用にともなう金額設定が異なり、深夜料金や冬季料金など追加で発生する場合もあります。そのため、病院や施設からご連絡する際、費用の確認をするのがおすすめです。

ご相談の際、明確に金額が提示されない場合は、別の葬儀会社への依頼も検討されたほうがよいかもしれません。また、大切なご家族を葬儀当日までお預かりする安置所の場所や葬儀場、火葬場の場所も葬儀会社のスタッフに確認しておくとよいでしょう。

長距離搬送の費用相場

ご遺体を寝台車で長距離搬送するときの費用相場は、以下の通りです。

・300㎞:11~13万円程度
・500㎞:15~17万円程度
・700㎞:28~32万円程度

なお、上記以外に高速道路や有料道路、ドライアイスなどの費用が別途含まれます。また、早朝や深夜に搬送する場合は、別途割り増し費用が必要です。

一方、飛行機でご遺体を搬送する場合は、国内であれば20~30万円程度が相場といわれています。(棺とドライアイス代は込みの場合が一般的)ただし、空港までご遺体を搬送する費用と、安置場所までの搬送費用が別途必要です。

よって、700kmを超える距離を搬送する場合は、寝台車と飛行機のどちらがよいか、見積りを取って比較するべきでしょう。

船を使う場合は、例えば東京湾から伊豆諸島まで搬送するときの費用相場は、15~25万円程度です。(棺とドライアイス代は込みの場合が一般的)また、こちらも飛行機と同様、空港までご遺体を搬送する費用と、さらに安置場所までの搬送費用が別途必要になります。

海外から搬送する場合の費用相場

海外からご遺体を搬送する場合は、現地への渡航費用に加え、100~150万円程度の費用が必要です。内訳としては、航空運賃と棺、ご遺体搬送に必要な各種手続きとなります。また、長距離移動によるご遺体の腐敗進行を抑制するエンバーミング処置をするための費用が、別途15~25万円程度発生します。

さらに、日本の空港に到着したら、そこからご遺体を安置する場所への搬送費と、海外の棺は火葬できないため新たな棺を準備するための費用も別途必要です。なお、国の法律や事情などによって条件が異なるため、搬送費用もそれに応じて変化するので注意しましょう。

ご遺体を長距離搬送する場合の注意点

ご遺体の長距離搬送を行う場合には、いくつか注意点があります。おもな注意点を紹介するので確認しておきましょう。

寝台車の費用は車庫からカウントされる

寝台車は葬儀会社の駐車場からの距離で費用が発生するため、できるだけご遺体を安置する場所から近いところにあるところを選ぶとよいでしょう。搬送費用は、葬儀会社の車庫からご遺体が預けられている場所、そしてご自宅や葬儀会場などご遺体を安置する場所までの合計距離で計算されます。

したがって、想定以上に見積金額が高くなっている可能性が高いことを認識しておきましょう。

早めに搬送の依頼をすること

人がお亡くなりになると、徐々に腐敗が始まります。血液の循環が止まることで臓器から腐敗が進行し、ご遺体が死臭を発するようになるので注意が必要です。

長距離搬送の場合は、ご遺体の腐敗が懸念されるため、搬送の際にはドライアイス処置が必要になります。大切なご家族をお守りするためにも、早い段階で温度管理のされた安置施設でお休みいただけるよう葬儀会社へ依頼するのがおすすめです。

搬送料金の内訳確認を忘れない

搬送料金には、単純な搬送費用以外にも高速道路や有料道路の料金、ドライアイス代、エンバーミング処置の費用など、さまざまな費用が含まれる場合があります。そのため、葬儀会社に見積りを取る際には、費用の内訳を明示してもらうようにしましょう。

海外の場合はイレギュラーが発生することも

海外においては、国ごとの法律や風習などによって、日本人の我々には考えられないような事象が発生する場合があります。例えば、現地のルールによってはご遺体を日本へ搬送できず、火その場で火葬が必要なこともあるでしょう。

海外ではイレギュラーが発生することを大前提に、手続きを進める必要があります。そのため、海外搬送を行った実績がある葬儀会社へ依頼すると安心でしょう。

まとめ

大切なご家族がお亡くなりになられた場合、通常の精神状態で物事を判断できないご遺族も多いです。病院や施設などで早急なお迎えが必要な場合には、まず故人様がお休みになる安置先をご遺族側で確定しましょう。またその際には、故人様を葬儀当日まで安心して預けられる葬儀会社を選ぶことが重要です。

長距離搬送については、ご相談の際、距離にともなう金額を明確に提示でき、搬送費用以外の追加費用の有無を明確化してくれる葬儀会社を選びましょう。そのため、以下のポイントについて確認しておくことをおすすめします。

・安置先の確認(葬儀当日まで不便でないのか)
・搬送費用(明確に金額提示をしてもらえるのか)
・長距離の搬送を対応してもらえるのか(金額確認)

大切なご家族を満足した形で送りだせるように、金額面(明朗会計)、対応面ともに満足できる葬儀会社をみつけてもらえれば何よりです。

なお杉浦本店では、皆様に満足いただけるよう明確な金額提示で、ご遺族に寄り添った対応を心がけております。神奈川県以外へのお迎え、長距離搬送につきましても対応可能です。

神奈川県内9カ所(2022.5月現在)に自社式場・安置施設をご用意しておりますので、ご葬儀の当日まで、大切なご家族をご遺族が満足される形でお守りさせて頂きます。ご搬送のみのご相談はもちろん、緊急の葬儀依頼まで柔軟に対応致しますので、お気軽にお問合せ下さい。

お葬式の杉浦本店 自社式場(安置施設併設)

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